アバルト 124スパイダーで巡る、千葉・内房 オトナ女子ふたり旅

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

たまには、大好きなクルマに乗って旅をしてみたい

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

日々ずっとクルマに触れる仕事をしている私でも、自分の好きなときに好きなクルマを運転するというのは今でも特別な時間だ。特に仕事で疲れたり悩んだりしたときには、ドライブするのが一番の気分転換になったりする。たまには少し足を伸ばして小旅行へでも行きたいなぁと思うのだが、仕事で行くようなところしか知らず、実は観光するような場所へは行けていない。

そこで今回は、全国各地を旅しているフード&トラベルライターの西村 愛さんに、旅のナビゲーターをお願いしてみた。都内から少し離れていて、ドライブしてリフレッシュできるような気持ちのいい場所……そんなわがままを吟味してもらった結果、千葉県の内房へ向かうことに。

さらにドライブの相棒になってくれたのは、真っ赤なアバルト 124スパイダー。女性2人で大人旅をするにはぴったりなチョイス! わくわくしながらエンジンをかけた。

実は女性にこそオススメしたい、コンパクトなスポーツカー

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

いよいよこれからドライブ旅! なのに、当日は残念ながら雨……。ドライブするうちに雨が上がることを祈りつつ、いざ出発。

久しぶりにアバルト 124スパイダーを運転したのだが、ロングドライブに向いているクルマだなぁと改めて実感。アバルトはスポーツカーのイメージが強く、もちろんサーキットなどを走るのは最高なのだが、実は今日のようなグランドツーリングのドライブにも快適なクルマだ。西村さんも「これ、スポーツカーなんですよね? それなのに乗り心地が良いですね」と驚いた様子。直進性もいいので高速道路も不安なく走ることができる。少し狭い道を通り抜けるような場面でも、スポーツカーらしいハンドリングでスイスイ小道へ入っていけるのもいい。アバルトのようなスポーツカーは男性らしいクルマだと思われる方もいるかもしれないが、実はとても運転しやすくて日常使いも問題なくできるので、個人的には女性にもおすすめしたい。

200年近い歴史を持つ老舗の醤油店“宮醤油”

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東京湾アクアラインを渡り、まず最初に到着したのは、千葉県富津市にある宮醤油店。

ここではなんと天保5年(1834年)に創業して以来、ずっと醤油屋さんを続けている。店舗や蔵も含めて、国指定の有形文化財に指定されているそう。建物も趣があってとても素敵。“たまさ醤油”を作り続けている6代目の宮 正蔵さんにお話を伺うと「今では千葉県の名産品になっている醤油も、元々は和歌山から船で渡ってきたものだ」という。千葉も和歌山に似て比較的温暖な気候なので、ここでも醤油を作れそうだと移住してきた人たちがいたようだ。和歌山と千葉の地域の名称が同じ場所が多いのも、そうした交流が頻繁に行われたためだという。西村 愛さんも全国を旅するだけではなく、各地の歴史についてたくさん勉強されているそうで、ちょうど宮醤油さんに着く前にも「歴史上、文化は船によって運ばれることが多かったんですよ」というお話を聞いていたので、まさにこれだ! と西村さんと顔を見合わせてにっこりする。

たくさん醤油のお話を聞いたあと、たまさ醤油で漬け込んだもろみ漬などを試食するうちに、ついついお土産を買い込んでしまった。

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

昔も今も、船は人々の生活をつないでくれる

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

船って色々な意味で大切なものだったんですねと話していると、西村さんが「東京湾を横断できる“東京湾フェリー”というものがあって、クルマと一緒に乗船できるんですよ」と教えてくれた。それを聞いて、お昼ご飯を食べる前にフェリーを見に行くことに。

東京湾フェリーは三浦半島と房総半島をつないでいて、クルマと一緒に行き来することもできる。

「あ、ラッキーですね! 到着する船はチーバくんが描かれた“しらはま丸”ですよ」と、西村さんが指差した方向を見ると、背の高い船が近づいてきているのが見えた。初めて東京湾フェリーを見た私はこんなに大きいんだ! とびっくり。

うまく小さな港内で方向転換して接岸すると、クルマが続々と乗り込んでいく様子がなんだか可愛らしい。チーバくん柄の船はレアだということで、西村さんとアバルトと一緒にスマホでパチリ。

“コタツでアイス”気分!? 冬こそオープンドライブがオススメな理由

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

ずっと雨の予報が出ていたにも関わらず、なんといつの間にか雨が上がっていた。すこし光が差し始めたので、アバルト 124スパイダーの幌を開けてみることに。

12月とはいえ、房総だからかオープンにしてもそこまでは寒くない。シートヒーターと暖房を軽く入れて走り始めると、心地よい風と海のにおいがしてとても気持ちが良い。

私はオープンでドライブするなら夏よりも冬の方が好きだ。体は暖房でポカポカしつつ、たまに冷たい風を感じながらドライブするのは、コタツでアイスクリームを食べているような幸せな気分になる。西村さんも「思ったより風も入ってこないし、寒くないんですね」と笑顔だった。

海に囲まれた房総で、あえて絶品お肉料理を食べに行く

朝早くに出発したので、お昼頃にお腹はペコペコ。房総といえば海産物を思い浮かべる人が多いと思うが、今回はあえての“肉”に挑戦! JR内房線佐貫町駅の近くに「フレッシュミート三平」というお肉屋さんがあり、そこに隣接した食事処「焼き鳥 三平」があるとのこと。

到着してみると、やっぱり一見お肉屋さんなので、ここで食事できると知らない人も多い気がする。お店の脇にはこじんまりとしたカウンターがあり、元気なお母さんたちが「いらっしゃい」と迎えてくれた。

焼き鳥がメインのお店らしいのだが、お肉屋さんなだけあって他にも魅力的な肉料理がいっぱい。チャーシューや肉だんご、生姜焼き、とんかつ、サーロインステーキまで!

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】
【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

調子に乗ってたくさん頼んだのだが、サーロインステーキなんて自分の顔よりも大きいサイズだし、どのメニューもボリューム満点。どれを頬張っても美味しさのあまり笑顔になってしまう。すごい量だったにも関わらず、ペロリと食べてしまった。

西村さんも「旅の取材で行くと、なかなかこういうローカルで小さいお店に入れることは少ないんです。こうやって地元の方に愛されている美味しいお店に来られて嬉しいです!」と喜んでいた。

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雨上がりの山頂には息をのむ景色が広がっていた

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お腹もいっぱいになったところで、次は腹ごなしに観光名所へ行ってみることに。

「昔、石切り場になっていた鋸山(のこぎりやま)は、絶景が見られるということで海外の人たちもたくさん観光に来られているようですよ」と西村さん。

鋸山のてっぺんまでクルマで行くには、つづら折りの道を進んでいかなければいけないのだが、アバルト 124スパイダーは難なくスイスイと登っていく。西村さんと「もしかしたら山頂には雲がかかっちゃっているかもしれないですね……」と天気を心配しながら登っていくと、てっぺんまでほど近くなったところで、突然景色が開けた。

ここは地獄か、はたまた天国か

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

「うわあー!」つい声に出してしまうくらい、そこには絶景が! 今日降った雨のおかげで、房総半島には雲や霧がかかって、見事な雲海を作っている。一番上の駐車場へ停めて、さらに徒歩で階段を上っていくと、“地獄のぞき”という岩の先端から真下の景色が見られるところまでたどり着いた。

思ったより道が険しく、息切れしながら地獄のぞきに到着。下をのぞきこむと、足がすくむような高さで思わず後ずさる。でも、そこから見る景色は圧巻だった。先ほど少しだけ見えた雲海が、ここでは眼下すべてに広がっていて、地獄というより天国にいるような気分だった。

「音楽と珈琲の店 岬」で過ごす、優しい時間

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】
【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

西村さんとアバルト 124スパイダーと房総を巡ってきたが、だんだん日が沈んで行くにつれて名残惜しい気持ちになる。最後に房総らしい海のある風景をゆっくり眺めたいなと思い、明鐘岬(みょうがねみさき)にある“音楽と珈琲の店 岬”へ行くことにした。

小説や映画のモチーフにもなっているこのお店。本当に岬の先端にあるので、目の前にある海を眺めながら過ごすことができる。のんびりコーヒーを飲みながら、少しずつオレンジがかっていく空と海を眺めていると、普段色々と考えていることや悩んでいることも、時間とともに一緒に流れていくような気がする。初めて会った西村さんとも最後にもっと打ち解けて、お互いの仕事や考えていることをゆっくり話すこともできた。

またアバルト 124スパイダーに乗って、ドライブ旅に行きたいな

【アバルト124スパイダーで往く千葉・内房ドライブ】

都内へ戻るときにも、アバルト 124スパイダーの中で話はわいわいと盛り上がった。ふたり乗りの空間は確かに乗用車に比べれば狭いかもしれないが、こういうときは距離が縮まるような気がするのだ。

次は西村さんに教えてもらった全国各地のどこかで、またアバルト 124スパイダーを走らせて一緒にドライブできたらいいなと思いながら、千葉を後にした。

[筆者:伊藤 梓/撮影:茂呂 幸正]

お題は「ドライブしてリフレッシュできる気持ちのいいところ」

小粋なイタリアンオープンスポーツカー「アバルト 124スパイダー」に乗り、女子ふたりが小旅行に出た千葉・内房。トレッキングからグルメまで、変化に富んだドライブコースの詳細についてフード&トラベルライターの西村 愛が徹底解説する。

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