鷹・千賀「全く違う評価を」 同じ13勝でも昨オフ3500万円増、今オフ1.4億円増はなぜ?

契約更改に臨んだソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

今季は1年間フルにローテを守り抜き、12球団トップの180イニング超を投げる

 ソフトバンクの千賀滉大投手が23日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季の年俸1億6000万円から1億4000万円増となる年俸3億円で契約を更改した。(金額は推定)

 1億4000万円もの大幅アップに千賀も満足な表情だった。交渉後の会見では「最大限の評価をしてもらいました。1年間責任感を持って過ごさないといけないなと思いました」とコメントし、来季への決意を口にした。

 今季は1年間フルにローテを担い、自己最多となる26試合に先発した。9月6日のロッテ戦では育成選手として初となるノーヒットノーランを達成するなど、13勝8敗、防御率2.79の好成績をマーク。リーグ優勝こそ逃したが、エース、大黒柱としてチームの3年連続日本一に貢献した。

 13勝は昨季と同じ数字。8敗は昨季よりも1つ多かった今季の千賀。ただ、昨オフは1億2500万円からわずか3500万円増の1億6000万円でサイン。同じ13勝だった一昨年オフが6000万円増だったことを考えても、昨季のアップはわずかなものだった。一転、今季は同じ13勝でも、ほぼ倍となる1億4000万円の大幅アップだった。

180イニング超を投げながら、防御率を大幅に向上させて2.79に

 これはなぜか。会見後の千賀は「去年の13勝と今年の13勝は全然違う数字。勝ち星で個人の契約をというのは難しい。今年は全く違う評価をしていただきました」と語っている。

 まずは1年を通してローテを守り抜いたことが何よりも大きい。昨季までは故障での離脱があった千賀だが、今季は1年間ローテを守り抜き、リーグで6人しかいなかった規定投球回に到達。キャリアハイとなる180回2/3を投げ、これは12球団でトップのイニング数だった。

 それだけのイニングを投げながら、防御率は2.79と、昨季の3.51から大幅に向上。227奪三振と最多奪三振のタイトルにも輝いた。エースとしてチームを引っ張り、さらには後輩たちに野球に取り組む姿勢などを示してきた。そういうグラウンド外での姿も球団には評価された。

「イニングもそうですし、防御率もそう、色々な数字が比べものにならない。勝ち、負けは僕の責任なんですけど、それだけではない要素も含まれるので。そういう部分は評価的にはそれほど強くないんだなと去年感じたので」と語った千賀。1年間フルで戦い抜いた成績だからこそ、高い評価を受けたのだった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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