クレジットカードでやってはいけない、信用度を下げるNG行為

クレジットカードを複数枚持ち、使い分けている人も多いのではないでしょうか。キャッシュレス決済には不可欠ですし、利用をすればポイントもつき、カードの色によってはステータスをあらわすアイテムにもなるなど、保有するメリットはそれぞれあると思います。

誰しも、クレジットカードを上手に使いこなしたいと考えていますよね。そこで気を付けなければいけないのが、今回ご紹介するクレジットカードにまつわるNG行為です。

悪気がなくても、やってしまえば信用を落とし何かと不利になることばかり。実際どのようなものがあるかみていきましょう。


1:短期間に多くのクレジットカードを申し込む

1、2カ月の間に何枚ものクレジットカードを申し込む行為は、多重申込と言われ申し込んでも審査が通りにくくなります。

クレジットカードの利用限度額は、個人の返済能力などを考慮して決められますが、多くのクレジットカードを申し込めば返済能力を超える利用をする可能性が高まります。

特に、1、2カ月と短期間に一気に申し込むということは、すぐに利用したい、それもたくさん利用したい事情があるのでは、と思われかねないのです。
そして、返済能力を超えた利用であれば、返済されないというリスクが大きくなり、クレジットカード会社としては審査を通さないという判断につながっていきます。

クレジットカードを申し込むと、カード会社は個人信用情報機関にデータの照会をします。そこには、支払いが問題なく行われたことや、滞納、解約、破産などの他に、申込情報などもあり、新規の申込時には必ずチェックをされています。

申込情報は、個人信用情報機関に6カ月間残るので、この間に別のクレジットカードを申し込めばわかります。

お得なクレジットカードを探して調べてみると、いくつかいいものが見つかるでしょう。しかし、このような理由から、複数のクレジットカードをほぼ同時期に申し込むことはやめておいたほうが賢明です。

2:クレジットカードを作っても、すぐに解約する

クレジットカードを作ると、ポイント還元やキャッシュバックを受けられるなどのキャンペーンはよくあります。せっかく作るならキャンペーン期間中に作るとお得ですよね。

しかしキャンペーンだけが目的で、ポイント還元、キャッシュバックなどを受けとったらすぐに解約、という行為を繰り返していると、新たなクレジットカードが作りにくくなります。

クレジットカード会社は新しい顧客を獲得するためにさまざまな施策をしていますが、ポイント還元やキャッシュバックのキャンペーンもそのひとつ。
キャンペーンをきっかけにカードを作ってもらい、その後も長く使い続けてくれればキャンペーンのコストも回収できるという計算です。つまり、すぐに解約されるとクレジットカード会社としては損をしてしまうことになるのです。

1年目の年会費が無料になるクレジットカードもよくありますが、1年以内に解約することも同様です。

もちろん、不要なクレジットカードは持ち続けるより解約したほうがいいのですが、その数があまりにも多いのは信用情報にマイナスです。キャンペーン目的の申込み、解約は繰り返すことのないよう気を付けましょう。

3:ショッピングに比べてキャッシングの利用が多い

クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠が設定されていることが多々あります。ショッピング枠は、手元の現金がなくても買物ができる上限額です。買物の支払いにクレジットカードを利用するのは、カードのメインの利用方法ともいえます。

一方、キャッシング枠とは貸付の上限額。キャッシングとは現金を借りることです。返済残高が残っている状況では、金額にもよりますが、新たなクレジットカードを作ることは難しくなる場合が多いようです。特に、生活費の補てんで利用していると判断されると、状況はさらに厳しくなります。

生活費の補てんでキャッシングを利用するということは、そもそもの収入が足りないということ。収入不足では返済に回すお金も不足しがちになり、返済のために新たなクレジットカードを作ってキャッシングをするという、負のスパイラルに落ちてしまうことにもつながります。

そうなると、クレジットカード会社は貸付を回収できなくなるリスクが高まるので、キャッシングの利用は、返済をしていても信用度が下がっていることもあるのです。

キャッシングの返済残高が残っていると、新たなクレジットカードが作れなくなるだけではなく、住宅ローンや自動車ローンが組めない、ということにもつながります。安易なキャッシングは避けるようにしましょう。

4:換金性の高いものを大量に買う

では、ショッピングの利用だけなら何の問題もないかというと、実は利用の内容もチェックされています。たとえば商品券やギフト券など、換金性の高いものの大量購入もまた、NG行為にあたります。

商品券などは、お祝いやお礼に添えるなど必要になるシーンは少なくありませんが、常識的な範囲を超えた量の購入は控えるべきです。換金性が高いものの大量購入は、現金化している可能性を懸念されることにつながるからです。

クレジットカードのショッピング枠が現金化できる、などというダイレクトメールや広告を見たことがあるかもしれませんが、これもまたNG行為。現金化していることがカード会社にわかった時点で利用停止、強制解約ということにもなりますし、以後の新規申込の審査にも通りにくくなります。

しかも、現金化できるとはいえ換金率は決して高いものではありません。お金に困っても、手を出してはいけない解決手段です。

5:クレジットカードを家族に持たせる

さて、悪気はなくてもやりがちなNG行為に、家族に自分のクレジットカードを持たせるということも挙げられます。最近ではサインレスで利用できるお店もありますし、インターネットショッピングではカード番号と有効期限を入力すれば利用できるサイトもあります。そのため、本人ではなくても利用できてしまうわけですが、名義人以外の人がカードを利用するのはNG行為です。

「クレジット」の日本語訳は「信用」です。クレジットカードは名義人の信用によって、後払いで買物などの決済ができる仕組み。たとえ家族であってもカードを貸すのはNG。

必要に応じて家族カードや、家族名義のカードを作るようにしましょう。年齢や職業などの関係で本人名義のクレジットカードを作るのが難しい場合でも、デビットカードなら作りやすく、クレジットカードと同様に使えるのでオススメです。

6:支払いを滞納する

クレジットカードの利用分は、決められた日に口座から引き落とされる、あるいは期限までに振り込む、といった方法で支払うことになりますが、支払いが遅れてしまうのは最大のNG行為です。

支払いの遅延、滞納の履歴は個人信用情報機関に保存され、その後の利用や新規の申込みに影響します。たとえば、利用限度額を制限されて少なくなったり、新規申込の審査が通らなかったり。審査基準が厳しいゴールドカードでは、さらにハードルが高くなるでしょう。

また、携帯電話の機種変更も難しくなることがあります。携帯電話の本体代金は分割払いの場合も多いですが、審査が通らないと一括払いにせざるを得なくなります。

支払いの遅延、滞納を繰り貸さないよう、利用は計画的に、無理なく支払える範囲を心がけましょう。

個人信用情報機関の登録期間を過ぎたら大丈夫?

これまで見てきたNG行為は、個人信用情報機関にも登録され、何かと不利になりますが、その影響は無期限ではありません。新規の申込は6カ月、支払いの遅延は5年、強制解約や破産は5年または10年などの期間が定められていて、期間を過ぎれば照会はできなくなります。

しかし、同じクレジットカード会社ではこの限りではありません。同一社内であれば、利用履歴はずっと残ると考えておいていいでしょう。もしもNG行為によって解約になったことがあれば、以降はその会社のクレジットカードを作るのは難しくなります。

信用を失うのは一瞬、信用を築くのは一生、とも言われます。適切な使い方で、信用を積み重ねていきたいですね。

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