府営水道料金統一で大幅な値上げも 2020年度から、経営状況厳しく

来年度からの京都府営水道料金に関する答申をまとめた府の審議会(京都市下京区)

 京都府南部の10市町に水道用水を供給している府営水道について、府営水道事業経営審議会はこのほど、3水系で格差があった料金を2020年度から統一する答申をまとめた。家庭や事業所が支払う水道料金は各市町の判断に任されるが、宇治系では大幅な値上げが見込まれることから、答申では料金統一に伴う影響の緩和措置を府に求めた。

 府営水道は宇治系(宇治、城陽、八幡各市と久御山町)、木津系(京田辺、木津川両市と精華町)、乙訓系(向日、長岡京両市と大山崎町)の3水系ある。審議会は、人口減などで低下が見込まれる水需要や府営水道の厳しい経営状況も踏まえ、昨年8月から料金体系を検討してきた。
 料金は、使用水量に応じて払う「使用料金」と固定費にあたる「建設負担料金」で構成。使用料金は1立方メートル当たり20円で統一している。一方、建設負担料金は3水系の浄水場の整備時期が異なるなどの経緯から、宇治系44円、木津・乙訓系は66円と格差があった。
 答申では、3水系の使用料金を20円から28円に引き上げ、建設負担料金も55円に統一するとした。木津・乙訓系は値下げになる一方、宇治系は使用料金が40%、建設負担料金は25%の値上げとなる。審議会で宇治市の山本正市長は「非常に厳しい内容。府には市町の予算編成や水道事業への影響が最小限になるよう、改定時期や手法について特段の配慮をお願いしたい」と強く求めた。
 府は来年2月議会に条例改正案を提案する方針。

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