鷹ガール書道家・原愛梨さんに独占インタ 話題の“書道アート”って一体なに?

Full-Countのインタビューに応じた書道アーティストの原愛梨さん【写真:編集部】

高橋純平投手がキッカケとなり、一気に人気が高まった原さんの“書道アート”

 3年連続で日本一に輝いたソフトバンクホークス。そのソフトバンクのファンで、選手の名前を用いて「書道」と「絵」を組み合わせた「書道アート」を描く書道アーティストをご存知だろうか? 最近はテレビの情報番組にもたびたび取り上げられ、注目度が急上昇しているのが、書道アーティストの原愛梨さんだ。

 自身のツイッターやインスタグラムで披露していた「書道アート」。その凄さがツイッターやインスタグラム上で反響を呼び、一気に広まりを見せた。ソフトバンクの選手に始まり、作品は今季で現役を引退した阿部慎之助捕手や侍ジャパンメンバーなどなど。11月のソフトバンクのファンフェスティバルでは原さんの作品が選手の“ユニホーム”のデザインに採用され、公式グッズにもなった。

 人気急上昇中の原愛梨さんとは一体何者なのか? 書道アートとは? なにがキッカケだったのか? そんな疑問を独占インタビューで語ってもらった。

――まだ原さんを知らない人も多いかと思います。まずは生い立ちを教えてください。
「福岡県柳川市で生まれて、26年間ずっと福岡で育ちました。福岡教育大にある書道の専門コースに入って学びました。高校を卒業するときに書道の道に行きたいと思っていました」

――そもそも書道との出会いは?
「3歳年上の姉がいるんですけど、その姉が習字をやっていました。私は何でも姉の真似したがりで。ピアノと書道を姉がやっているのを見て、真似してやりたい、やりたい、と。2歳のときに親に『やりたい』と言いました。両親からは『じゃあやりなさい、でもやるからには頂点を目指さないとダメだよ』と言われました」

「どう興味を持ってもらえるか」2年前に思いついた書道と絵の融合「書道アート」

――書道、ピアノ、他に何かやっていましたか?
「色々な習い事をやっていましたね。土日まで毎日何かしらありましたけど、その中でも極めたいと思ったのが書道でした。それに自分が気づいてからはずっと書道一直線です」

――書道のどこに魅力を感じたんでしょう?
「小さいときは先生に褒められたい一心でした。その先生がすごく大好きで、誰よりも早く書道教室に行って、先生に『よくできたね』って褒められるのが嬉しかったんです。あとは、私は言葉で話すのが上手くないんです。喋るのは好きなんですけど、うまく感情を表現したい、この気持ちを表現したい、でも上手くできない。でも、書道だとそれがうまく表現できるんだと気付いてずっと続けてきました」

――「書道アート」というのものを閃いたのはいつですか?
「2年前くらいです」

――けっこう最近ですね。キッカケは?
「書道で個展とかも開催したんですが、どうしても書道に興味のある人、ない人が分かれてしまうんです。どうやったら書道に興味のない人に興味を持ってもらえるのかな、とずっと考えていました。このSNSとかが発達している中で、みんなが書くことをやめないでいてくれるかな、興味を持ってくれるかなと考えたときに、『絵』という視覚的なところから入ったら、みんなも興味を持ちやすいんじゃないか、と。それで『書』と『絵』を組み合わせた何かをしようと思いました。そうすれば海外の人も興味を持ってくれるんじゃないか、と。絵なら世界共通なので」

――最初に書いた作品は?
「最初に書き始めたのが鶴の恩返しの作品でした。鶴の胴体部分が『鶴の恩返し』の昔話のストーリーになっています」

――選手の姿を用いた「書道アート」はいつから?
「最初に書いたのは5月です」

――今年始めたばかりなんですね?
「キッカケはソフトバンクの高橋純平投手でした。ツイッターで私の作品に『これ欲しい』みたいな感じのコメントを付けてくださったんです。2年前くらいから『絵』と『書』を組み合わせた作品は書いていたのですが、これを選手と絡めるようになったのはこれがキッカケで5月でした」

知名度急上昇のキッカケは高橋純平投手の誕生日に描いた書道アート

――どういう作品を作ったんでしょう。
「ちょうど高橋純平投手のお誕生日が5月だったんです(5月8日)。お誕生日に『お誕生日おめでとう』ということで、高橋純平投手のフォームを元にした書道アートを描かせていただきました。この作品を高橋純平投手に凄く喜んでいただけて『これは!』と思って書き始めました。ですので、まだ書き始めて7か月くらいです」

――“鷹ガール”としても知られる原さんですが、ホークスとの出会いは?
「野球を好きになったのも姉の影響です。姉がめちゃくちゃホークスファンで、お父さんもファンだったので、私も連れられて、よく試合を見に行っていました。最初はただ何となくぼーっと見ている感じだったんですけど、見れば見るほど楽しくなっていって。まだダイエーの時代でしたね」

――その頃から熱中していたのですか?
「いえ、当時はそこまで熱中している感じではなかったです。熱中するようになったのは2年前に福岡・大川市のPRレディーをやったことがキッカケです。ファーム施設のタマスタ筑後のイベントに良く行っていて、そこで選手とイベントでご一緒させてもらう機会があったり、マウンドに立つ機会があって、そこで『野球っていいな』と思って、より一層見るようになりました。それがキッカケでハマっていきました」

――推しの選手はいるんですか?
「やっぱり高橋純平投手ですね。高橋純平投手がキッカケで、私もここまで書道アートに熱中することができたし、世の中に広まるキッカケにもなったので。感謝している選手でもありますし、応援しています」

――今年はファンフェスティバルのグッズにもなりました。
「めっちゃ感動しました。ホークスのグッズになるというのは1つの目標でした。ファンの人たちから『グッズ化してほしい』という声もあったので、実現したらいいなと思っていました。でも、まさかまさか、本当にグッズになって……。目標がグッズ化と個展開催だったので両方叶って感動しました」(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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