鷹・森唯斗、なぜ4.6億円まで価値高まった? 三笠GMが語った4つの要素とは…

契約更改に臨んだソフトバンク・森唯斗【写真:藤浦一都】

6年連続50試合登板の継続性、クローザーとしての特性、まだ27歳という若さ…

 24日にヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行った、ソフトバンクの森唯斗投手。6年連続で50試合超に登板している“鉄腕”は、今季の2億8000万円から1億8000万円アップとなる年俸4億6000万円プラス出来高、年俸固定制の4年契約を結んだ。(金額はすべて推定)

 2013年のドラフト2位で三菱自動車倉敷オーシャンズからソフトバンクに入団した森。1年目の2014年にいきなり58試合に登板すると、6年連続で50試合超に登板。今季は故障離脱もあり、入団後最少の54試合にとどまったが、それでも2勝3敗35セーブ7ホールド、防御率2.21の好成績を残した。

 来季が7年目となり、長期離脱がなければ、シーズン中には国内FA権を取得する。球団側はFA権取得を見据えた上で、長期の複数年契約を提示して権利取得を前に引き留めを図った。

 森の4億6000万円は攝津正、松坂大輔、和田毅の年俸4億円を抜き、球団の日本人投手史上最高年俸に。これほどの高い評価に繋がったワケを、交渉終了後に報道陣に対応したソフトバンクの三笠杉彦GMが語っている。

 まず、三笠GMが高く評価したのが、6年連続で50試合以上に登板してきたそのタフネスぶりと貢献度だ。「6年連続で50試合以上に投げて実績も十分に残している」。リリーフの過酷な仕事を6年続けてこなすのは至難の業。続けて結果を残している継続性が評価された。

 また、クローザーというポジションの特性も三笠GMは挙げる。長期間に渡ってクローザーを任されて結果を残し続けている日本人投手は、12球団でも楽天・松井裕樹やDeNA山崎康晃ら数少ない。「日本人投手であのポジションを守っていけるというのは、外国人投手が多く任されるところというところで価値が高い。外国人枠を使うところを日本人に任せられるというのは価値が高い」。外国人が多く担うクローザー。そこを日本人が長期間担うことができれば、外国人枠の運用やチーム編成を考えても大きな価値があるという。

 そして、若さと来季中に取得するFA権の存在だ。高卒社会人出身の森はまだ27歳。4年契約が満了となる際でも31歳と若く、球団側はまだまだ働いてくれるだろうと期待した。そして、仮にFA権を行使した際の市場価値も考慮。「我々が残ってもらうにあたって、市場としての価値で評価した」。これが積み重なった結果が4億6000万円の4年契約という提示に繋がった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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