東京から日帰り圏内怪魚釣行!
シーバスを狙ってる方や投釣りをされる方には嫌われ者である「アカエイ」。
ですが最近、引きの強さや敷居の低さも相まって、エイアングラーが増えているとの噂もあります。
今回はそんなエイフィッシングを皆様にお伝えすべく、東京から片道2時間の伊豆半島へ行ってまいりました。
新しい場所ってどんな時もワクワクしますよね! エイいるかなー?
体盤幅1.2メートル・体重30キロ以上に成長します!
エイ類の大きさは体盤幅(たいばんふく)で記録するのが一般的です。体盤幅とは、横幅が一番長い部分を指します。
尾の長さは、通常体盤幅と同程度でありますが、個体差があるため大きさを示す指標にはなりません。
体盤幅を基にアカエイの価値を分かりやすく示すなら、50センチでバス40センチ、70センチでシーバス70センチ、100センチでマナマズ70センチといったところでしょうか。(個人的見解)
難易度Eクラス
アカエイは、釣り方さえ間違えなければ簡単に狙うことができます。
難易度を例えるならば、マナマズやコイ、アオリイカやカサゴといったところでしょう。
とても身近な存在です!
日本におけるアカエイの生息範囲は、北海道南部から沖縄までと非常に広く、海岸線や河口部近くに住んでいれば本当は身近な魚なのです。
都市部にも多く生息しており、東京都内でも狙って釣ることができます。
「浅い水深」と「砂~泥質」がキーワード
釣れるポイントも様々で、2つのキーワードさえ揃っていれば漁港・サーフ・河口部など、どこにでもいます。
今回は規模が大きい漁港で狙ってみることに! もちろん、海底は砂地です!
流れが少し緩む場所が好き!
アカエイも他の魚と同様に、潮が動いている時のほうが活性が上がります。
しかしながら、流芯ではなく、少し流れが淀んだり巻いたりする場所を好むことが多いです。
エサは匂い重視!サンマやイワシがベスト
アカエイは生きた魚や貝はもちろん、腐肉も大好物です。
嗅覚を頼りに索餌することもあり、匂いが出やすいサンマやイワシがベストなエサだと思います。
エサ取りが多い場合はイカが◎
サンマやイワシは身が柔らかいため、どうしてもフグやベラなどのエサ取りに弱いというデメリットがあります。
僕はサンマと合わせて、エサ取りに強いスルメイカをいつも持ち合わせるようにしています。
実釣開始!
今回はPE2号+ナイロン30ポンドリーダーと、PE6号にフロロ60ポンドリーダーの2本のタックルを用意しました。
自作遊動天秤にオモリを取り付け、30メートル程投げ込むと、早速アタリが!!
アカエイは……めっちゃ引きます!
PE2号のライトタックルに開始5分でヒットしました!
が、問題発生。僕の想定より遥かにエイが大きそうです(汗)
ドラグ出っぱなし!止まらない!
あっという間に30メートル程走られ、その後も沖に向かう潮に乗ってしまいズルズルと……マズイ。
ドラグを締めて止めにかかると……
切れた
アカエイは大きくなると、引きの強さが次元を超えてランクアップしていきます。
例えばシーバスの場合、50センチもメータークラスも同じシーバスロッドで対抗できます。
ところがエイは、50センチであればシーバスロッドで十分釣れますが、メータークラスになると石鯛竿やクエ竿を要する次元に突入します。
ここにはメータークラスがいる!
到底、タモ網では掬えないサイズだったことは明白でしたので、強靭な釣り針を使って即席ギャフを作成しました。
大きなギャフを掛けると、魚体に与えるダメージが大きくなってしまいますからね。
リベンジ開始!
ライトタックルは撤収し、タマン竿1本で勝負です!
アカエイは一匹いれば複数いる可能性が高いので、場所を変えずに待ってみること30分。
ついに!!
ゆっくりとしたドラグ音でファイト開始!
アカエイはモゾモゾっとした前アタリのあと、ゆっくりと走り出したらアワセ時です。
しっかり糸のたるみをとって……渾身のフッキング!!
これもデカイぞ!!
タマン竿がバットからぶち曲がる!
ドラグを締めて強烈なファーストランに真っ向勝負を挑みます。
ここがエイフィッシングの醍醐味です! こんな強烈な引きをすぐそばの海辺で味わえるのです!
止めた!と思ったが……
ファーストランを耐え凌ぐと、エイの動きが鈍くなり、「勝負あったか!」と思った瞬間……
こんなに簡単に頭をむけてくれるのか? 直感的にそう思わせるクイックターンでした。
が、チャンスですので一気に寄せに掛かります。しかし、これが罠だった!
こっちに向かってダッシュ!
初めての釣り場だったので、足元の地形をよく把握していませんでした。
このパターンってもしかして……
やっぱそうだよねw案の定スタッグです(泣)
この時点でアカエイが一枚上手です。
さて、どうしたものか。
砂に潜られたら万事休す!
アカエイには砂地に潜るという得意技があります。
こうなった場合、砂の重さが加わってとんでもない重さになってしまい、どうにも太刀打ちができなくなります。
言わば、特大の吸盤で底に張り付かれるイメージです。
一か八か、ラインを緩めて待つこと5分
状況的に、強引にエイを引っ張るのは得策ではないと判断。
そこで、一か八かラインを緩めて待ってみることに。
こんな時に信頼できるのがネムリ針です。しっかり貫通していれば、多少糸を緩めても針が外れることはまずありません。
安心したのか?中層を泳ぎだすアカエイ
底を這うように泳ぐイメージが強いエイ類ですが、実は安心して移動するときは中層を泳ぐことが多い生き物です。
もちろん、中層を泳ぎ始めたら大チャンスです!
竿に力があればもう大丈夫。
エイは水平方向に泳ぐ力はとりわけ強いのですが、真下に潜る遊泳力は持っていません。
エイが油断して中層を泳いだ時点で勝負に決着がつきました。
油断(ミス)した方が負ける。釣りと言えど、勝負の鉄則です。
良いサイズです! しかし、単独釣行はここからが少し大変です。
リーダーを掴みながら、片手で身切れしない場所にギャフを打ち、引っ張り上げる。
めちゃくちゃ重いw
なんとか引っ張り上げることに成功しました。
圧巻の90センチオーバー!
僕はエイに限らず、ブッコミ釣りをする際はできるだけ魚体にダメージを与えないようにシートを持ち歩いています。
ところが、コイツには90センチ×60センチのシートでは不十分だったようです。
毒針に注意!
アカエイフィッシングを楽しむ上では、1つ注意しなければならないことがあります。
そう、この毒針。エイが弱りきっていない場合は特に危険です。
また、毒針は1本ではなく複数本の場合もあるので、必ず全て取り除いてください。
なお、毒針は再生するので、魚への負担もそう大きくはありません。
僕はキャッチ&リリース派!
目の横の穴は噴水孔と呼ばれ、エイの仲間はここから海水を出し入れして呼吸しています。
僕は針を外したり、写真を撮ったりする合間に、できるだけ頻繁に海水を噴水孔へ入れ、少しでも弱らないようにしています。
単独釣行は記念撮影も大変ですw
2時間ほどの実釣時間で充分楽しめた今回のエイフィッシング。次回は首都圏でのアカエイ釣行も計画しようと思うのでお楽しみに!
皆さんも強烈なエイの引きを身近な水辺で味わってみませんか?
画像提供:山根 央之
アカエイを狙うのに必要な釣具は?!
今回は特大サイズが多い釣り場でした。こういった場合に備え、タックルは少々強めのものを用意しましょう。
とは言え、お気軽ってことも重要なので、何もクエ竿やタマン竿をわざわざ購入しなくても大丈夫です。
ショアジギングロッドやバスロッド(XH以上)ならば、適合ラインを守れば流用して楽しめますよ。
以下で、個人的な「アカエイ釣り 3種の神器」をピックアップしてみました。
僕は「管付きがま深海」という針を好んで使用しています。管付きですので糸を結びやすくてオススメです!
エイの場合19号前後が良いでしょう。
エイはエサを口に入れるとスゥ~っと走るのですが、遊動天秤を使用することで違和感なく走らせることができます。
記事中でも紹介しましたが、大物針をギャフとして使っています。
筆者紹介
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。