Off time Vol.20 -成功者の横顔-

今月の人

前出産業株式会社 代表取締役社長 前出 博幸さん**

プロフィール

「1月はほとんど行かないです。2月になると、産卵するバスが上がってくるので、大きいバスがいる可能性があるんですよ。」

近江八幡市出身。51歳。現会長前出幸久が畳床の製造・販売とし昭和38年頃に創業。昭和49年1月に有限会社前出産業を設立し、新たにブラインド組立て事業も始める。平成10年に社長就任。翌年有限会社から株式会社に移行。平成15年に金属事業を開始。平成18年には食品リサイクルループ構築のコンサルタント及び、業務用生ゴミ処理機の販売メンテナンス、自然エネルギー促進に向けて蓄熱式薪ストーブを試作するなど、環境関連事業にも力を入れる。また、地産の「むべ」を使ったワインやリキュール、飴などの加工食品も企画販売するなど、勢力的に事業を展開している。

バスフィッシングは 事業アイデアを捻出するための

大きなエネルギー源。

これまでの最大バスの大きさは60センチ。手応えが全く違うと言う前出さん。

「琵琶湖に近いからですね。長く続けていられるのは、やはり環境が大きいと思います」と話すのは近江八幡で製造業を経営している前出博幸さんです。子供の頃から琵琶湖での魚釣りが遊びの一つ。そのベースがあってこのバスフィッシングを今は趣味として楽しんでいます。「子供の頃はフナですね。その頃はボテジャコなどもたくさんいましたよ。ブルーギルが少し出てきた時代で、釣るのが楽しかったですね。ブラックバスはいなかったと思います。ルアーフィッシングもまだでしたね」。

びわ湖環境ビジネスメッセでも発表した蓄熱の薪ストーブ。

 バスフィッシングを始めたのは大学卒後、まだ家を継ぐ前、大阪勤務のサラリーマン時代就職した会社にバスフィッシングのプロがいたのがきっかけです。20歳代は大阪の寮から毎週地元に帰って来ては、バスボートを出して友達と琵琶湖大橋辺りに出て釣りに行くといった本格的なバスフィッシングを楽しんでいた前出さんですが、今はご自宅から町内にあるマリーナからボート出し、近隣を回る程度。とはいうものの、釣り好きな人にとっては羨ましい環境です。「仕事の時間が空いたらちょっと行って来よう、といって釣りに行ったときもありました。今は忙しくて、月一回行けたらいい方ですね」。若い頃はバスプロになりたいと思っていたそうですが、34歳で実家の仕事を継ぐことになります。実家の仕事は電子部品系の組み立てをする請負加工業で、リーマンショック以降は海外の安い所へとメーカーが発注するため、商売的には打撃も受けました。

もの作りを活かしながらも、事業として金属加工事業、環境事業を立ち上げ、循環型社会に合わせた生ゴミを資源化する食品のリサイクルシステム構築のコンサルタントや、蓄熱式薪ストーブを作って自然エネルギーを促進。さらに、全く違う分野として地産の「むべ」を生産して加工食品も提供し、現在3Dプリンターを活かした商売も考案中です。

地産の「むべ」を使ったワインやリキュール、飴、煎餅などの加工食品。

人付き合いは苦手で、サラリーマン時代もOA機器の研究所での仕事のため、人との関わりもありませんでした。しかし、家業を継いだことで一転。地元の人とのネットワークを積極的につくり、様々なアイデアを出すことで、経営の危機を乗り越えてきました。静かに前向きに事業をすすめて行く前出さん。趣味のバスフィッシングは事業アイデアを捻出するための大きなエネルギー源になっているのではないでしょうか。

前出産業株式会社

近江八幡市上田町1288-18

TEL:0748-37-1647

FAX:0748-37-1699

info@maede.co.jp

http://www.maede.co.jp/

■情報誌「自悠時間」掲載2013年12月

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