「もっとプロ野球が変わっていく」“生涯ホークス”を決意した鷹・柳田が思うことは…

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

年俸5.7億円にも「家族が生活できて、慈善活動とかをできたら、それでいい」

 25日にヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行ったソフトバンクの柳田悠岐外野手。来季から新たに7年契約という超大型契約を結んで衝撃を与えた。来季は現状維持の年俸5億7000万円、2年目以降は変動制。4年が経った後に、そこまでの成績を踏まえて残る3年の契約内容が決まることになった。(金額は推定)

 本来であれば、2020年シーズン中に海外FA権を取得する予定だった柳田。それを見込んで、2017年オフに2020年までの3年契約を結んでいた。海外FA権を取得し、2020年オフにメジャー挑戦を目指したい思いもあった。

 ただ、今季の故障による長期離脱で海外FA権の取得は2021年までズレ込むことに。2021年のオフには柳田は33歳になっている。メジャーの夢を封印することを決めた柳田。頭を悩ましたに違いない。

「プロに入って、プロでやるのが子供の時の夢だった。その夢の中でいまやらせてもらっている。小さい頃のことを考えると、幸せな舞台でやらせてもらっていると思いました」。初心を思い、そして、生涯ホークスで戦うことを決めた。

 メジャーへの思いを封印し、“生涯ホークス“の誓いを立てた。なぜ、球団の長期契約を受け入れたかについて「最終的には、1番は長く野球ができるということですね。そこが1番嬉しかった。今年怪我して、全然野球をしていない、チームに貢献していない。そういう選手に対して、球団の方々がこういう評価をしてくれたことが1番の決め手かな」と、胸の内を明かした。

 7年契約中も結果次第では年俸は上昇していく契約だが、柳田自身にはこれ以上の年俸アップはさほど求めていないよう。この日も「家族が生活できて、慈善活動とかをできたら、それでいいかな、と」と語っていた。

 考えているのは、若手や子供たちに”夢“を与えられる存在であるということ。「若い選手やプロ野球目指す選手がソフトバンクに入りたい、ソフトバンクで活躍したいと思ってもらえるような、そういう思いしかないです。こういう契約が日本でも増えていくと思うし、もっともっとプロ野球が変わっていくんじゃないかなと思います」。球団として”世界一“を目標に掲げているソフトバンク。大型契約のパイオニアとして、プロ野球界の発展に繋がることを願っていた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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