ジャイアンツ サマージャとクエイトの両右腕をキープして来季へ

2010年代のチームの象徴の1人だったマディソン・バムガーナーがフリーエージェントとなって同地区ライバルのダイヤモンドバックスへ流出したジャイアンツだが、先発ローテーションに残るベテラン2人を今オフ中にトレードで放出する意思はないようだ。サンフランシスコ・クロニクルのヘンリー・シュールマンは、ジャイアンツが34歳のジェフ・サマージャと33歳のジョニー・クエイトをチームに残したまま来季の開幕を迎える方針であることを伝えている。

2010年、2012年、2014年と3度にわたってワールドシリーズを制したチームがピークを過ぎ、過渡期を迎えているジャイアンツは、同地区ライバルのドジャースが戦力を充実させ、ダイヤモンドバックスとパドレスも補強を進めるなか、難しい舵取りを迫られている。峠を過ぎたベテランが高額の契約を残しており、思うように身動きが取れない状況ではあるが、チーム内にはサマージャとクエイトに代わって先発ローテーションを担うような存在も見当たらず、両ベテラン右腕をキープするのは賢明な判断と言える。

サマージャは、今季32試合に先発して181回1/3を投げ、11勝12敗、防御率3.52、140奪三振をマーク。5年9000万ドルの大型契約が来季で終了するため、来年7月のトレード市場で放出候補となる可能性が高い。一方のクエイトは、今年9月にトミー・ジョン手術からの戦列復帰を果たし、4先発で防御率5.06を記録。6年1億3000万ドルの大型契約があと2年残っており、ジャイアンツとしては放出を急ぐ必要はない。規定投球回に到達したのは2016年が最後であり、まずは健康に投げられることを証明する必要があるだろう。

なお、今オフのジャイアンツは戦力アップになるような補強をほとんど行っておらず、フリーエージェントでケビン・ゴースマン、トレードでエンゼルスからザック・コザートを獲得したのが目立つ程度。次なる黄金期を迎えるまでの間、しばらくは我慢のシーズンが続きそうだ。

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