表紙のエピソード 大好きだったギターを自らの手で作りたいと早期退職して工房を開設。 精魂をこめたギターと新楽器ギタルパの製作に打ち込む。

宇野充さん Mitsuru Uno
昭和23年生まれ/大津市在住

高校時代にクラシックギターに出会った宇野さんはギタリストを志しましたが、やがて結婚を期に子育てと会社中心の人生に。45歳を過ぎた頃から「これではいけない」と再びギターを手に取りました。その心にあったのは、昭和44年に出会ったギター製作家・中山修さんのギター。自分の手で作るという夢を思い起こし、平成15年に会社を早期退職、ギター製作に本格的に取り組むように。中山修さんのアドバイスを受け、ラミレスタイプのギターを主に、美しい音色を奏でるギターを世に送り出しています。

ギター工房UNO
大津市の膳所城下町にある自宅の一角に工房を構える。最近はギターの他、ギターとハープが合体した新しい楽器「ギタルパ」の製作にも取り組んでいる。
滋賀県大津市本丸町3-4 TEL:077-525-1889

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The person of this cover

今回の表紙のエピソード

宇野さんが精魂こめて作るギターは、京都にある日本初のギター専門店「月光堂」で販売され「外国の楽器の音がする」と高く評価されています。そんな宇野さんが、今新しく取り組んでいるのが「ギタルパ」という楽器です。これは兵庫県在住のギタリスト、吉川二郎さんが考案したもので、ギターとハープを組み合わせたまったく新しい楽器。弦が19本もあり、大きさはギターの半分以下ながら、4オクターブ半以上の音域を奏でることができます。ほとんどの音は右手だけで発することができ、ギターに比べてずっと演奏の習得が簡単なんだそうです。にもかかわらず、美しいハープのような音色を響かせることができるのがこの楽器の魅力。発案者の吉川さんの熱意に打たれ、製作を引き受けたという宇野さん。その形は、浜辺に舞い降りた天女をイメージしてデザインされています。吉川さんが育んでこられた「ギタルパの夢」の実現のため、製作する手にも力がこもります。

■情報誌「自悠時間」掲載2013年12月

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