建設業担い手確保へ議論 長崎県庁で女性、若手技術者ら

建設業界で働き続けるために必要な支援などについて語り合う参加者=県庁

 建設業界の担い手不足解消に向け県は26日、長崎県庁で県内の土木や建築などの分野で働く女性や若手技術者を集めた意見交換会を開き、就職促進や離職対策などについて語り合った。同日、県内企業の経営者や採用担当者と工業高校教諭との意見交換会もあった。
 県としては初開催。県内建設業界を取り巻く現状と課題などを共有し、新規高卒者やUIターン者の建設業界への就職を促進しようと企画した。県建設企画課の担当者は進行中の公共事業や高校生の就職状況などを説明。長時間労働の是正や休日の確保など、環境整備の推進に関する取り組みなどを紹介した。
 女性と若手技術者たちは15人が参加。3グループに分かれて議論した。「入社後の研修を会社任せではなく業界として対応しては」「資格手当があるとモチベーションが上がる」「給与よりも休日が大事」「フレックスタイムを導入すべき」「残業が当たり前という時代ではない」などの意見が出た。
 企業と工業高校の意見交換には県立5校の校長と教諭らが参加。「生徒たちは求人票をシビアに見ている。昇給などの項目を空欄にせず記入して」「研修期間を長めに」「生徒たちは人を大切に育てようという企業を選択している」などと思いを伝えた。企業側の担当者は「若者が県内に戻りたいと思った時、受け皿になるような場所が必要」「待遇改善に向け努力したい」「各地で災害が増えている。ぜひ建設業の重要性を生徒たちに説いてほしい」などと述べた。

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