わがまち回顧 平戸支局 「按針」特定へ作業続く

崎方公園の調査で発掘した墓穴を調べる平戸市職員=12月16日、同市大久保町

 徳川家康の外交顧問、英国人ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針)の埋葬地とされる墓地がある崎方公園の調査で平戸市は4月、2017年度の調査で発掘した人骨1体が、欧州人男性と断定したと発表。市は「按針の可能性が高い」と期待感を示している。
 鑑定で母から子に受け継がれるDNAを分析した結果、北・西欧人に多い塩基配列を確認した。骨の炭素成分の年代測定では、1590年から1620年に死亡した可能性が高いと判明。按針は20年に死去しており、年代的には合致する。今後は、個人の特定に必要な核DNAの抽出で父方の祖先をたどる予定。子孫の調査も大英図書館の協力で続いているが手掛かりは得られていない。
 同公園では、本年度の調査を11月から開始。人骨3体を発掘した。丸い墓穴の形状や座棺に座らせた状態の埋葬法などから日本人とみられる。このため、今回は市が目指していた外国人墓地である確証を得ることはできなかった。
 一方、骨が按針と特定されていないこともあり、市民の関心は今ひとつ。来年の没後400周年を盛り上げるために、市民の機運醸成を目指した情報発信の強化が不可欠だ。

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