SFC CLIPで振り返る 変化の2019年

2019年もまもなく終わりを迎え、2020年がやってくる。新しい10年の幕開けに向け、変化の多かった2019年をSFC CLIPの記事で振り返る。

災害と防災への取り組み

2019年は水害が目立つ年だった。

5月には静岡や神奈川を含む地域で豪雨となり、SFCでは教員の判断で授業が休講になったり、登校できない学生も受講できるよう授業をオンライン配信したりした。

9月には台風15号が関東で猛威をふるい、千葉県などで甚大な被害がでた。SFC CLIP編集部ではSFCに在籍する専門家に取材し、被害と対策について確認した。

10月には台風19号が本州に接近し、各地で大きな被害をもたらした。SFCでは当日の残留が禁止になり、各部署の提供する窓口なども時間を切り上げて営業を終了することとなった。

特に、六慶祭の一つである秋祭が中止となったことはSFCの記憶に強く残っているだろう。

このような災害に対し、「SFCらしく、できることをしよう」と、複数の研究室のコラボレーションによるプロジェクトも立ち上がっている。

また、2019年の大きな災害は水害だけではない。6月に山形県沖で発生した最大震度6強の地震では、鶴岡タウンキャンパス付近でも震度5弱を観測しているが、学生・教職員・設備への大きな被害はなかった。

スポーツでも活躍するSFC生

2019年も東京六大学野球秋季リーグ・早慶戦が行われた。特に秋季リーグでは、義塾は3季ぶり37度目の優勝を決めた。

義塾野球部で活躍した選手たちのうち4名はプロ野球ドラフト会議でも指名を受けている。

SFCの卒業生も活躍している。7月にイギリスで開催された陸上ダイヤモンドリーグ2019では、SFC出身の選手が男子100メートルで9秒98を記録し、日本人3人目、義塾出身としては初めての9秒台ランナーとなった。

授業にも変化が

2020年にSFCが創立30周年を迎えるのを前に、卒業生との連携を重視した新たな授業ができあがった。SFC CLIP編集部では特に「ミネルバの森」に着目し、その授業の裏側を取材した。

また、夏休みにはさだまさし特別招聘教授らが特別授業「うたをつくる」を開講した。プロのシンガーソングライターが直接うたづくりを教えたこの授業も、SFC CLIP編集部では本人へのインタビューを敢行しその思いをきいている。

各種行事も実施 一部は予定変更も

3月の卒業式、4月の入学式は例年通り開催され、それぞれが人生の新たなステージへの一歩を踏み出した。

毎年開催されているOpen Research Forumでは、今年も新たなテーマをもとに様々な取り組みが行われた。

生活の身近な場所にも新たな動き

SFC内の様々なシステムや規則などにも変更があった。

湘南藤沢ITCが提供していた「CNSパブリッククラウドコンピューティングサービス」は、2018年度をもって提供を終了した。

メディアセンターの図書館システム「KOSMOS」は、9月からクラウド型の新システムに移行し、併せてメディアセンターの貸出規則も変更となった。

7月には健康増進法改正によりキャンパスの喫煙所が見直された。これにより、SFC内の喫煙所は屋外の2箇所のみとなった。

湘南藤沢メディアセンターでは、夜間に残留場所としての開放を議論するため、7月に一部エリアで試験的な夜間開放を行った。

また、10月からは総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部、政策・メディア研究科の各学部長・委員長が交代し、新たな学部長陣での運営が始まった。

学内政治の活動は、例年とは異なるスケジュールで動いた。

2018年12月の全塾協議会塾生代表選挙が不成立となったことで6月から行われた再選挙は、前回立候補していなかった新たな候補者を含めた選挙となった。

投票率の低さを改善するため、三田キャンパスで行われた候補者討論会ではオンライン配信を行うなど、積極的な広報活動も行われた。

その他にも、身近な場所で新しい取り組みが行われた。

1月にはキャンパス全体を使った自動宅配ロボットの実証実験が行われ、参加したSFC生らはキャンパス内にいながら様々な買い物を行った。

9月からは、生協サウス食堂にローソン 慶應義塾大学SFC店がオープンし、多くのSFC生らが休み時間などに利用するようになった。

11月には相鉄・JR直通線が開業し、相鉄とJRの直通運転が開始された。湘南台から直通の列車はないが、いずみ野線特急が休止になるなど、様々な変更が加えられた。

2020年に向けての準備も

SFC内外で2020年・新しい時代に向けた調整が行われている。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、学事日程も特別措置が行われることが決定している。

また、2020年度からはSFCでパソコンを必携とする「SFC BYOD」計画が推進される。これにあわせてκειο各館にある特別教室で設置されているパソコンが撤去されることも決定された。

SFC CLIP編集部でも新しい取り組み

SFC CLIP編集部でも、時代にあわせた新しい取り組みを複数開始している。

3月にはLINE@のアカウントを開設し試験運用を行った。ここでのフィードバックをもとに、4月からは同アカウントで正式運用を開始し、定例配信時や速報配信時に読者に直接記事を届けられる体制となった。まだ登録していない人はこちらからぜひ登録してほしい。

記事配信のプラットフォームにも変更を加えた。6月からは今までの配信方法とあわせて外部のコンテンツ共有プラットフォーム「nor.」を用いた記事配信を開始し、SFC外の方からもSFCについてより簡単に知ってもらえるチャネルを広げた。

また、nor.での記事配信開始にあわせて、災害時などにSFC生・周辺住民の方々に対しいち早く情報を届けるため、「nor.速報」の運用も開始した。台風19号の際は一部の行政情報配信サービスよりも早く避難情報を配信し、SNS等を通じてSFC生に限らず多くの方々に危険性を伝えることができた。

新たな時代を前に様々な変化が訪れた2019年は、あなたにとってどのような1年だっただろうか。これからも目まぐるしく変わっていくであろう世界、SFC、そしてSFC CLIPにもぜひ注目していただきたい。

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