お正月のテーブルセッティングは手作りで!
早いもので2022年ももうすぐ終わり、新しい年を迎えようとしています。新しい年の準備は進んでいますか?
忙しい毎日の中ではなかなか日本の文化を意識する時間がないかもしれませんが、新しい年の始まりであるお正月くらいは少し心を落ち着けて日本文化を楽しむ余裕を持ちたいものですよね。
今年のお正月はちょっとだけ和の心を取り入れて、歳神様をお迎えしませんか?
ここでは武家社会に受け継がれた「折形」という文化と、和紙を使って手作りで現代風に取り入れるアイディアをご紹介いたします。
ご祝儀袋の原型!?折形とは?
折形とは、600年以上の歴史を持つ武家社会の礼法のひとつです。
和紙を使い、進物を包んで手渡すというやり方と儀式に使う和紙の飾りを総して『折形』といいます。
上級武家のみが特別な和紙を使い、生活の中で使い分ける独特の文化がそこにありました。
現在は、祝儀・不祝儀袋や贈り物ののし紙などにその文化は受け継がれています。
器用な日本人が吉凶を表し、そして美しく折り目正しく折った折形を、少しだけ現代生活に取り入れるには、お正月がピッタリ!
この素晴らしい文化に、この機会に触れてみませんか?
誰でも簡単に取り入れる事ができるお正月ならではの箸袋、箸置き、お年玉袋のアイディアをご紹介します。
箸袋・箸置きは和紙で手作り
祝い箸は、両方の先が細くなっています。それは、一方は神様用、そしてもう一方は人が使うためで、『神人共食』を意味しているからです。
おせち料理は、歳神様にお供えするお料理。
新年を祝い一年の幸せを授かる意味から、歳神様と食事を共にいただくというわけです。
だから、ひっくり返して取り箸に使うなんているのはタブーです。覚えていてくださいね!
その大事なお箸がおめでたい席で折れたら大変!ということで、丈夫で折れにくい柳の木が使われているのです。
お正月のお祝いの箸は、大晦日に家長が家族の名前をそれぞれの箸袋に書いて、箸を入れて神棚に供えておくのが習わしです。
その箸を元旦に使ったら、清めて(洗って)松の内(1月7日まで)は同じ箸を使います。
だから立派な箸袋に柳箸を入れて、この季節に売り出すのですね!
ぜひ、和紙で家族分の箸袋作りに挑戦してみませんか?
左の写真は、折形を取り入れて折った箸袋2種です。右の写真は、祝い鶴と、そしてそれを箸置きにしてみました。
これらのつくり方ですが、今はインターネットでも簡単に検索できます。
本では「暮らしの折り紙」(小林一夫著 高橋書店)がおすすめ!
また、「折り紙会館」では、色々な和紙、折り紙を取り扱っているほか、講習会も開催されているのでぜひ一度足を運んでみると新たなアイディアがたくさん手に入って楽しいと思いますよ。
お年玉は手作りの鶴の祝い袋で
現在のお年玉は、お金が主流ですが、元々はお餅だったのです。
その語源は、『年魂』といい、歳神様の御魂分けのことでした。
鏡餅は、歳神様へのお供え物。そのお下がりのお餅を『おとしだま』と呼んだのが今のお年玉になったとされています。
こうした由来から、お年玉は、『目上から目下へ』と渡すのが原則です。
ですから年始回りの際には、目上の方のお子様に『お年玉』としてお金を渡すのは失礼にあたります。
どうしても差し上げたい時は、図書カードや文具券等を小さな祝儀袋に入れて贈ると良いでしょう。
お年玉袋にお金を入れる時も注意が必要です。
紙幣は肖像がある方が表ですから、開いた時に表が見えるように表を内側にして、左⇒右の順で軽く三つ折りにします。
新年の最初の贈り物です。なるべくきれいな新券が気持ちがいいですよね!年末に用意しておきましょう。
そして、素敵な和紙で手作りした特別なお年玉袋だったらさらに素敵ですよね!
万能に使える「縁紅紙」は買い置き必須
お祝いの席の前に買い置きしておくと良いもの。
それが『縁紅紙』。
菓子敷紙として売っているところもあるようです。
これがあれば、箸袋にしたり、箸置きを作ったり、お金を包んだり、色々と活用できます。
もちろん和菓子の下に敷くことも。本当に便利です。
お正月のおめでたい席や何か特別な時に、ティッシュではせっかくの雰囲気が台無しですよね。
ぜひ、ひとつ揃えておくことをお勧めします。
お正月のテーブルコーディネートはぜひ手作りで
来年のお正月は、ちょっと自分で作ってみようかな?という気持ちになっていただけたかしら?
日本の和の心をそっと食卓にも添えることで、きっと気持ち良いお正月が迎えられると思います。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいね。