2019年は26の選挙が1票以内の僅差で決着「あなたの1票が、人生を、社会を、変える。」

選挙ドットコムでは日本全国の選挙管理委員会(以下、選管)から選挙情報をお送りいただきデータベースとして集約・掲載しています。今年は4年に一度の統一地方選挙と3年に一度の参議院議員通常選挙が同じ年に行われる12年に一度の「亥年の選挙イヤー」でとても多くの選挙が日本全国で行われました。今回は選挙ドットコムが情報を収集することのできた全国1526選挙(国政選挙含む)のうち、僅差で当落が分かれた選挙をご紹介します。1票の重さを説かれることはたくさんありますが、文字通り1票が結果を決めた選挙を見れば大切さを実感できるはず…早速見てみましょう!

1票以内の差で当落が決まった選挙の数は…

2019年に行われた全ての選挙の内、1票以内の差で最下位当選者と次点で落選した候補者が決まった選挙の数はなんと26ありました。
その中で按分票による1票未満の差(小数点以下の票差)で当落が決まった選挙は3つ、得票が同じだったためくじ引きで当落が決まった選挙は7つありました。

1票未満の差で当落が決まった選挙(小数点以下の票差):3選挙

4月21日投票・千葉県銚子市議会議員選挙
最下位当選の石上やすみつ氏・904.474票、次点のくどう忠男氏・904票差は0.474票

4月21日投票・福井県池田町議会議員選挙
最下位当選のさの和彦氏・155票、次点の飯田しげはる氏・154.416票差は0.584票

9月8日投票・岩手県陸前高田市議会議員選挙
最下位当選の大坂たかし氏・411.216票、次点の菅野さだむ氏・411票差は0.216票

小見出し・得票が同じだったためくじ引きで当落が決まった選挙(0票差):7選挙

4月7日投票・神奈川県相模原市議会議員選挙 相模原市中央区選挙区
最下位当選の今宮ゆうき氏、次点のまつうら千鶴子氏、それぞれ得票は3158票

4月21日投票・京都府城陽市議会議員選挙
最下位当選の太田ケンジ氏、次点の谷口きみひろ氏、それぞれ得票は852票

4月21日投票・北海道小平町議会議員選挙
最下位当選のたかのけんいち氏、次点の村井フミ子氏、それぞれ得票は205票

4月21日投票・埼玉県狭山市議会議員選挙
最下位当選の田中としお氏、次点の望月たかし氏、それぞれ得票は1238票

4月21日投票・鹿児島県三島村議会議員選挙
最下位当選のたにぐちしんじ氏、次点のしもむら喜久子氏、それぞれ得票は11票

7月21日投票 千葉県神埼町議会議員選挙
最下位当選の石橋しんいち氏、次点の池田たかゆき氏、それぞれ得票は181票

11月10日投票・北海道共和町議会議員選挙
最下位当選の小林けんじ氏、次点のふじき恵子氏、それぞれ得票は234票

小見出し・1票差で当落が決まった選挙:16選挙

市・区の選挙

4月21日投票・東京都港区議会議員選挙
最下位当選の石渡ゆきこ氏・1089票、次点のいのくま正一氏・1088票

4月21日投票・大阪府寝屋川市議会議員選挙
最下位当選のにしお勝成氏・2032票、次点の松尾信次氏・2031票

町・村の選挙

4月21日投票・北海道喜茂別町議会議員選挙
最下位当選の小川たいき氏・84票、次点のえちご耕司氏・83票

4月21日投票・北海道新得町議会議員選挙
最下位当選のきどなるみ氏・224票、次点の佐藤みきや氏・223票

4月21日投票・北海道鶴居村議会議員選挙
最下位当選の佐藤吉人氏・118票、次点の高橋もとこ氏・117票

4月21日投票・岩手県軽米町議会議員選挙
最下位当選の舘坂ひさと氏・321票、次点のかわらぎよしぞう氏・320票

4月21日投票・山形県白鷹町議会議員選挙
最下位当選のおくやま勝吉氏・481票、次点の渡部よしみ氏・480票

4月21日投票・栃木県野木町議会議員選挙
最下位当選のうめざわ秀哉氏・366票、次点の野田みつのり氏・365票

4月21日投票・東京都御蔵島村議会議員選挙
最下位当選の砂原奈美子氏・22票、次点の広瀬旭治氏・21票

4月21日投票・山梨県丹波山村議会議員選挙
最下位当選の嶋﨑義人氏・53票、次点の木下修一氏・52票

4月21日投票・愛知県東郷町議会議員選挙
最下位当選のひがこうじ氏・464票、次点の若松たかゆき氏・463票

4月21日投票・大阪府田尻町議会議員選挙
最下位当選の中川たつお氏・242票、次点の石谷りゅういち氏・241票

4月21日投票・高知県田野町議会議員選挙
最下位当選の小笹たかあき氏・104票、次点の山本美園氏・103票

4月21日投票・熊本県錦町議会議員選挙
最下位当選の岡田たけし氏・371票、次点の市田のぼる氏・370票

8月4日投票・福井県勝山市議会議員選挙
最下位当選のあきもと恵一氏・71票、次点の松下和照氏・70票

12月22日投票・徳島県上勝町議会議員選挙
最下位当選の松本せいしろう氏・412票、次点の山岸のりあき氏・411票

首長選挙でも僅差の選挙が

今年あった僅差の選挙には議会議員選挙だけでなく自治体の行政を取り仕切る立場で生活に大きな影響のある首長選挙もありました。10票差以内で決着した3つの首長選挙をご紹介します。

2月3日投票・岩手県陸前高田市長選挙
当選した戸羽太氏・6504票、次点の紺野由夫氏・6499票差は5票

2月17日投票・佐賀県鳥栖市長選挙
当選した橋本康志氏・12744票、次点の牧原聖二氏・12734票差は10票

4月21日投票・秋田県上小阿仁村長選挙
当選した中田よしお氏・836票、次点の小林えつじ氏・832票差は4票

僅差の選挙は地方だけでなく都市部・規模の大きい選挙でも。東京23区や県議・政令市議選

1票差で決まった選挙では比較的町村、地方の自治体が多い印象がありますが、都市部や規模の大きい選挙でも1桁の票差で決まったものがありました。

県議選・政令市議選

4月7日投票・大阪府大阪市議会議員選挙 東成区選挙区
最下位当選のえびさわ由紀氏・6940票、次点ののりきよナヲミ氏・6936票差は4票

4月7日投票・佐賀県議会議員選挙 鳥栖市選挙区
最下位当選のむかいかど慶人氏・5268票、次点のさしやま清範氏・5261票差は7票

4月7日投票・京都府京都市議会議員選挙 下京区選挙区
最下位当選の鎌野敏徳氏・3430票、次点の西山信昌氏・3424票差は6票

4月7日投票・広島県広島市議会議員選挙 安佐北区選挙区
最下位当選の木島たかし氏・3053票、次点の清水てい子氏・3049票差は4票

(このほかに0票差の選挙で紹介した神奈川県相模原市議会議員選挙)

東京23区(特別区)の選挙

3月17日投票・東京都台東区議会議員選挙
最下位当選の岡田勇一郎氏・1161票、次点の小島智史氏・1157票差は4票

4月21日投票・東京都千代田区議会議員選挙
最下位当選の木村正明氏・522票、次点のはまもりかおり氏・518票差は4票

4月21日投票・東京都荒川区議会議員選挙
最下位当選の山田はるみ氏・1231票、次点のはっとりとしお氏・1226票差は5票

4月21日投票・東京都新宿区議会議員選挙
最下位当選のかわの達男氏・1472票、次点の田中のりひで氏・1465.737票差は6.263票

(このほかに1票差の選挙で紹介した東京都港区議会議員選挙)

改めて実感する1票の重さ/有権者に選択肢を与えた候補者たち

今年行われた1526の選挙のうち、多くの選挙で文字通り1票が結果を左右したことがわかりました。普段1票の重さを強調されることは多いですが、これまでは「1票が大事なのは頭じゃわかっているけれど…」という方も多かったかもしれません。しかし今回ご紹介した選挙が示す通り、あなたの1票が選挙結果を左右することは十分あります。今年投票した人(多い地域ではこの1年間で6回投票する機会がありました)も、そうでない人も、次に投票する機会があれば「自分の1票が当落を分けるかも…!」と思って投票に行っていただけることを願っています。

また、1票差以内で決まった選挙が26、10票差以内で決まった選挙が151あったということは、1票差以内で落選した候補者が26人、10票差以内で落選した候補者が151人いたということでもあります。ご紹介した選挙の中には選挙の定数に対して1人しか落選しなかった選挙もいくつかありました。もし落選した候補者が立候補していなければその選挙は行われずその選挙は無投票になっていたかもしれません。当選した候補者が政治家として務めを果たすのはもちろんですが、落選した候補者もいたからこそ私たち有権者は選挙で政治家を選ぶことができる、と考えてみると選挙や候補者に対して少し違った見方ができるようになるかもしれません。

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