楽天の2010年代助っ人は? 13年日本一へ引っ張った名コンビに期待外れの超大物も

2015年から在籍している楽天のゼラス・ウィーラー【写真:荒川祐史】

AJはメジャー434本塁打の実績で加入、マギーはメジャー復帰でカムバック賞

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍した楽天の主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○ダレル・ラズナー投手

 2008年にはヤンキースで20試合に先発したが、オフに楽天に移籍した。1、2年目は先発ローテーションを任されるも、2年で9勝18敗と結果を残せず。2011年途中から守護神を任されるとブレークし、34登板(5先発)で、3勝4敗17セーブ、防御率2.04と活躍した。2012年は主にセットアッパーとして17ホールド、2013年は守護神として17セーブを挙げたが、8月に右ひじの靭帯を損傷して退団。引退後は楽天の国際スカウトに就任し、新たな助っ人の発掘に尽力している。

○ケーシー・マギー内野手

 メジャー61本塁打の実績を引っさげて、2013年にヤンキースから加入。チーム唯一の全試合出場で打率.292、28本塁打、93打点と大活躍し、ベストナインに輝いた。球団初の日本一を置き土産に、マーリンズとの1年契約でメジャー復帰。2014年は三塁のレギュラーとして160試合に出場し、打率.287をマークしてカムバック賞を受賞。2017年からは巨人で2年間プレーした。

○アンドリュー・ジョーンズ外野手

 2005年にブレーブスで51本塁打、128打点と2冠に輝くなど、メジャー17年で434本塁打、1933安打をマークした史上最高クラスの大物助っ人。来日時点での本塁打数は歴代最多で、2013年に鳴り物入りで入団した。1年目から26本塁打、94打点で球団初の日本一に貢献すると、2年目も24本塁打。特に圧倒的な選球眼で2年連続でリーグ最多の四球を選び、2年間の打率.232ながら驚異の出塁率.392を記録した。現在はオランダ代表のコーチを務めている。

○ケビン・ユーキリス内野手

 レッドソックス時代の2008年に打率.312、29本塁打、115打点を記録し、ハンク・アーロン賞を受賞。2008、09、11年とオールスター戦に選出された。ホワイトソックス、ヤンキースでプレーし、メジャー通算1061試合出場、1053安打、150本塁打、618打点を記録した。2014年に鳴り物入りで入団。開幕戦から「5番・一塁」でプレーしたが、度重なる故障に苦しんだ。左足底筋腱炎の再検査と治療のため5月上旬に再検査のため帰国。その後はプレーすることはなく、わずか21試合出場、1本塁打と期待を裏切った。10月末に現役引退。

○ゼラス・ウィーラー内野手

 2015年にヤンキースから加入。来日3年目には打率.271、31本塁打の活躍でベストナインに選出されるなど、5年連続で2桁本塁打をマークしている。今季は来日後最低の打率.243だったが、CSファーストステージではソフトバンク千賀から逆転2ランを放った。

○カルロス・ペゲーロ外野手

 マリナーズ時代は有望株だったが、メジャーでは結果を残せずに2016年途中に加入。51試合で打率.279、10本塁打をマークすると、2017年には120試合で打率.281、26本塁打と活躍。昨季は打率.233と不振に陥り、退団となった。今季途中から韓国プロ野球(KBO)LGに加入し、ドミニカ代表として「プレミア12」にも出場した。

○フランク・ハーマン投手

 2010、11年にはメジャーで2年連続40試合に登板した実績を持ち、2017年にフィリーズから加入。1年目から56試合に登板して1セーブ33ホールド、防御率2.72と結果を残すと、昨季は18セーブ12ホールド、今季は21ホールドと活躍。3年間ブルペンを支えたが、来季からのロッテ移籍が決定している。

○ジャバリ・ブラッシュ外野手

 今季、エンゼルスから加入。昨季はマイナー3Aでは83試合で打率.317、29本塁打、OPS(出塁率+長打率)1.131と無双状態だったが、メジャーでは39打数で打率.103、24三振と苦戦し、日本に新天地を求めていた。今季は128試合の出場で、楽天の助っ人では歴代最多の33本塁打、95打点といきなり結果を残した。

 球団初の日本一となった2013年のジョーンズ、マギーのインパクトが強い10年間となった。2010年代前半はラズナーが投手陣を支え、後半はウィーラーが打線の中軸を担った。大物助っ人として鳴り物入りで加入したユーキリス、サンチェス、ゴームズは期待外れに終わった。

 来季に向けてはブラッシュ、ブセニッツ、宋家豪の残留に成功。ハーマンはロッテに移籍した。新助っ人の補強はまだないが、どのような選手を獲得するのか注目だ。(Full-Count編集部)

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