スカッグス投手は薬物使用に伴う誤嚥事故で死亡
2019年7月以降に死去した世界の野球人を見ていこう。
〇タイラー・スカッグス(7月1日)投手 27歳
エンゼルス大谷翔平投手のチームメイトだったが、薬物服用に伴う誤嚥事故で死亡。今季は7勝を挙げていた。MLB通算96試合、28勝38敗0セーブ、520回2/3、防御率4.41。
〇ジム・バウトン(7月10日)投手 80歳
ヤンキース、アストロズなどで活躍。1963年に21勝。引退後、MLBの内情を暴露した「ボールフォア」を著し大ベストセラーとなる。キャスター、俳優として活躍。引退から8年たった1978年にメジャーで投げて話題となった。MLB通算304試合、62勝63敗11セーブ、1238回2/3、防御率3.57。オールスター選出1回。
〇アーニー・ブログリオ(7月16日)投手 83歳
カージナルス、カブスなどで活躍した先発投手。1960年に21勝で最多勝獲得。1961、63、64年に開幕投手となった。MLB通算259試合、77勝74敗18セーブ、1337回1/3、防御率3.74。
〇ドン・モッシ(7月19日)投手 90歳
インディアンス、タイガースなどで投げた左腕投手。曲がった鼻と特徴的な風貌から「スフィンクス」というニックネームで愛された。MLB通算460試合、101勝80敗8セーブ、1548回、防御率3.43。オールスター選出1回。
〇アル・ジャクソン(8月19日)投手 83歳
メッツなどで先発、救援で活躍した左腕投手。小柄だが切れの良い球を投げた。MLB通算303試合、67勝99敗14セーブ、1389回1/3、防御率3.98。
〇テックス・クレベンジャー(8月24日)投手 87歳
セネタース、ヤンキースなどで投げた救援投手。1958年には最多登板(55試合)。MLB通算307試合、36勝37敗2セーブ、694回2/3、防御率4.18。
〇チェイス・ヌマタ(9月2日)マイナーリーグ捕手 27歳
ハワイ出身の日系選手。タイガース傘下AAの捕手だったがスケートボードの事故で負った頭部の怪我で死亡。
〇トム・フォーブス(9月5日)投手 77歳
オリオールズ、パドレスなどで投げた先発投手。173センチと小柄ながら1967年から3年連続2桁勝利。MLB通算201試合、56勝52敗11セーブ、1030回、防御率3.33。
〇ウォリー・ウエストレイク(9月6日)外野手、内野手 98歳
パイレーツ、インディアンスなどでプレー。シュアな打撃で知られ、サイクル安打を2度記録。MLB通算958試合、3117打数848安打、127本塁打、539打点、19盗塁、打率.272。オールスター選出1回。
〇クリス・ダンカン(9月6日)外野手 38歳
カージナルスで5年間プレーした。父デーブ、兄シェリーもメジャーリーガー。引退後はカージナルスの解説者を務めたが脳腫瘍で死去。MLB通算389試合、1147打数295安打、55本塁打、175打点、4盗塁、打率.257。
〇チャーリー・シルベラ(9月7日)捕手 94歳
主にヤンキースの控え捕手としてプレー。引退後はコーチ、スカウトになった。MLB通算227試合、482打数136安打、1本塁打、52打点、2盗塁 。打率.282。
〇ジム・グリーングラス(9月9日)外野手 91歳
レッズ、フィリーズでプレーした外野手。シュアな打撃で注目されたが20代半ばで足首を負傷。以降は深刻な静脈炎(血行障害)を抱える。MLB通算504試合、1793打数482安打、69本塁打、282打点、6盗塁、打率.269。
〇アレックス・グラマス(9月13日)内野手 93歳
カージナルス、レッズなどで主に遊撃手として活躍。引退後は「ビッグレッドマシン」と言われたレッズの三塁コーチを務める。MLB通算913試合、2073打数512安打、12本塁打、163打点、17盗塁、打率.247。
〇アンディ・エチェバレン(10月5日)捕手 76歳
オリオールズ、エンゼルスなどで活躍。オリオールズ時代はエース、デーブ・マクナリー、ジム・パーマーの信頼が厚かった。引退後はコーチ。MLB通算948試合、2618打数615安打、49本塁打、309打点、13盗塁、打率.235。オールスター選出2回。
KBOのキム・ソンフン投手は転落死した
〇ジャッキー・ヘルナンデス(10月12日)内野手 79歳
キューバ出身。エンゼルス、ツインズ、ロイヤルズなどでプレー。ユーティリティで俊敏な守備で知られた。MLB通算618試合、1480打数308安打、12本塁打、121打点、25盗塁。打率.208。
〇ボビー・デル・グレコ(10月13日)外野手 86歳
パイレーツ、ヤンキース、アスレチックスなどでプレーした守備の良い外野手。選球眼も良かった。MLB通算731試合、1982打数454安打、42本塁打、169打点、16盗塁、打率.229。
〇エリック・クーパー(10月20日)MLB審判 52歳
野茂英雄の2度目のノーヒットノーランの試合で審判を務める。オフにひざの手術をしたが現役中に急逝した。
〇チャック・メリウェザー(10月26日)MLB審判 63歳
2度の完全試合に立ち会った黒人審判。2011年に引退後はMLB審判の指導に当たった。
〇ロン・フェアリー(10月30日)内野手、外野手 81歳
ドジャース、エキスポズなどで活躍した強打の外野手。引退後はエンゼルスのアナウンサーとなり、1993年にマリナーズの専属アナウンサーに。イチローの試合中継も多く手がけた。MLB通算2442試合、7184打数1913安打、215本塁打、1044打点、35盗塁、打率.266。オールスター選出2回。
〇ボブ・ジョンソン(11月9日)内野手 83歳
アスレチックス、オリオールズなどでユーティリティプレーヤーとして活躍。キャリア後半は代打が多かった。MLB通算874試合、2307打数628安打、44本塁打、230打点、24盗塁、打率.272。
〇ジム・コーツ(11月15日)投手 87歳
ヤンキース、エンゼルスなどで投げる。1960年には13勝を挙げる。MLB通算247試合43勝22敗17セーブ、683回1/3、防御率4.00。オールスター選出1回(2試合)。
〇アーブ・ノレン(11月15日)外野手、一塁手 94歳
NBAの前身であるNBLのシカゴアメリカンギアーズでプレーしたのちMLBへ。勝負強い打撃で鳴らした。引退後はコーチ。MLB通算1093試合、3119打数857安打、65本塁打、453打点、34盗塁、打率.275。オールスター選出1回
〇ドロシー・シーモア・ミルズ(11月17日)野球史研究家 91歳
夫のハロルド・シーモアとともに歴史家として初めてMLBの歴史をまとめる。2017年にアメリカ野球学会は、彼女の功績を称えて女性の野球人に贈る「ドロシー・シーモア・ミルズ障害功労賞」を制定。
〇キム・ソンフン(11月23日)KBO投手 21歳
ハンファ・イーグルス投手。秋季キャンプ中に自宅周辺の建物で転落死。2019年は10試合0勝2敗、防御率3.58だった。
〇シーモア・シウォフ(11月29日)エリアス社 CEO 99歳
MLBなどスポーツデータ分析を手掛けるエリアス社のCEOとして67年間にわたって活躍。スポーツデータの進化をけん引した。
〇テッド・レプシオ(12月11日)内野手 90歳
レッドソックスなどでユーティリティプレーヤーとして活躍。MLB通算729試合、2092打数512安打、69本塁打、251打点、11盗塁、打率.245。
〇リッチ・ランドルス(12月16日)投手 38歳
インディアンスで2シーズン投げる。タイガース傘下の投手コーチを務めていたが12月16日に急逝した。MLB通算9試合、0勝0敗0セーブ、6回 、防御率1.50。(広尾晃 / Koh Hiroo)