ラミちゃんにキューバの至宝、冷蔵庫殴打男…DeNA2010年代助っ人は個性派揃い?

DeNAのアレックス・ラミレス監督とスペンサー・パットン(左から)【写真:荒川祐史】

ロペスは17年打点王、ソトは2年連続本塁打王&今季2冠、グリエルはMLBで活躍

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍したDeNAの主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○ターメル・スレッジ外野手

 2004年にエクスポズで新人ながら15本塁打を放ち、2006年には大塚晶則投手らとのトレードでパドレスに移籍した経験を持つ。2008年に日本ハムに加入すると、2年間で43本塁打と活躍。DeNAに移籍した2010年には自己最多の28本塁打を放ち、2011年も20本塁打をマークしたが8月に故障離脱した。今季はカブスで打撃コーチ補佐を務めた。

○アレックス・ラミレス外野手

 ヤクルトの7年間で211本塁打、巨人の4年間で103本塁打を放った大物助っ人がDeNA初年度の2012年に加入。1年目は137試合で打率.300、19本塁打と期待に応えた。2年目の2013年は助っ人初のNPB通算2000本安打を達成したが、打撃不振に陥って退団。2014年はBC群馬でプレーして引退。2016年からはDeNAの監督を務め、今季は2位でのCS進出に導いた。

○ギジェルモ・モスコーソ投手

 2011年にアスレチックスで21先発し、8勝10敗、防御率3.38の成績を残した右腕。2013年に加入すると、24先発で9勝9敗、防御率3.39と好投した。2014、15年は防御率5点台と苦戦したが、3年間で17勝をマークした。今季はメキシカン・リーグのレオンとプエブラでプレー。20先発で3勝8敗、防御率6.38の成績だった。

○ユリエスキ・グリエル内野手

 キューバ代表として2004年アテネ五輪で金メダル、2006年WBCではベストナインの活躍で準優勝に貢献。輝かしい実績を残して2014年途中に鳴り物入りで加入した。66試合に出場で打率.305、11本塁打と実力の片鱗は見せたが、翌年は来日せずに契約違反で退団。2016年に亡命してアストロズに加入すると、2017年には主力として世界一に。今季途中には35歳を迎えたが、打率.298、31本塁打、104打点とキャリアハイの成績を残した。

○ホセ・ロペス内野手

 メジャー9年で92本塁打、1005安打の実績を持ち、2013年にホワイトソックスから巨人に加入。2年間で43本塁打を放ち、2015年にDeNAに移籍した。5年連続で25本塁打以上を放ち、2017年には105打点で打点王の活躍。メジャーでは二塁を守っていたこともあり、1623守備機会連続無失策でプロ野球記録を樹立した堅実な一塁守備も超一級品。来季の残留も決定している。

○スペンサー・パットン投手

 2017年にカブスから加入。1年目からセットアッパーとして62試合に登板し、4勝3敗、7セーブ27ホールド、防御率2.70をマークした。昨季も33ホールド、防御率2.57と安定していたが、今季は22ホールド、防御率5.15の成績。さらに8月にはベンチ内の冷蔵庫を殴打し、第5中手手根関節を脱臼骨折して離脱した。CSファーストステージで復帰し、来季の残留も決定している。

○エドウィン・エスコバー投手

 2017年に日本ハムに加入すると、7月に黒羽根利規捕手とのトレードでDeNAに移籍。昨季からはセットアッパーも任され、今季はセ・リーグ最多の74試合に登板し、5勝4敗33ホールド、防御率2.51とCS進出に貢献した。来季の残留も決定している。父もメジャーリーガーで弟はマイナー有望株。来季からヤクルトに加入するアルシデス・エスコバーは従兄弟と野球一族の出身だ。

○ネフタリ・ソト内野手

 メジャー34試合で0本塁打だった男は、2017年オフに入団テストを経て加入した。1年目の昨季は出遅れたものの、107試合で打率.310、41本塁打、95打点とMVP級の活躍で本塁打王に。今季は141試合に出場して、打率.269、43本塁打、108打点と2年連続本塁打王に加えて打点王も獲得。2冠に輝いて2位でのCS進出に貢献した。

 2010年代の前半はスレッジ、ラミレス、ブランコ、バルディリスら他球団で実績を残した野手の獲得が目立った。後半はロペス、パットン、エスコバー、ソトと強力助っ人の加入で4年間で3度のCS進出を果たした。

 来季に向けてはパットン、エスコバー、ロペス、ソトの残留が決定。昨季メジャー17発のタイラー・オースティン内野手、マイケル・ピープルズ投手の加入も決定し、充実した布陣となりそうだ。(Full-Count編集部)

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