大谷翔平は投手&DH、レジェンド左腕や台湾の英雄… 日ハム10年代ベストナイン

大谷翔平の活躍は2010年代の球界に大きな衝撃を与えた【写真:田口有史】

抑え投手では武田久と増井浩俊がともに100S以上を記録

 今季は5位に沈んだ日本ハムだが、2010年代に2度のリーグ制覇、16年には日本一も達成した。さらに二刀流・大谷翔平の誕生など球史に残る出来事も。この10年間に活躍した日本ハムのベストナインと監督を選出したい。

【投手】
先発 大谷翔平
中継ぎ 宮西尚生
抑え 武田久

“二刀流”大谷翔平投手が、2010年代の球界にもたらした衝撃はすさまじかった。1年目の13年は13試合登板で3勝(0敗)、3本塁打、20打点をマーク。2年目には160キロ台を連発して11勝(4敗)、打っては10本塁打と2桁勝利&2桁本塁打をマークした。15年には自己最多の15勝(5敗)を挙げ、最多勝利、最優秀防御率(2.24)、最高勝率の3冠に輝いた。他にも12年MVPの左腕・吉川光夫投手、今季最多勝の有原航平投手もこの年代を支えた先発投手だった。

 宮西は今年4月に前人未到の通算300Hを達成。中継ぎの地位を上げてきた。2008年から通算12年連続で50試合以上登板を達成し、通算337Hは世界記録に。16、18、19年の3度、最優秀中継ぎ投手に選ばれている。

 選考が難しかったのは抑え。2012年に45H7Sを挙げ、最優秀中継ぎ投手になった増井浩俊が武田に代わって14年からクローザーに。15年に39Sを挙げるなど活躍した。日本一になった2016年はクリス・マーティンがチームトップの21S。しかし、武田は10年から14年まで合計120S。後半貢献した増井は110Sで、“クローザー”という観点で武田とした。

野手では9年連続2桁本塁打の中田、3度の盗塁王西川ら好打者揃い

【内野手】
捕手 大野奨太
一塁 中田翔
二塁 田中賢介
三塁 ブランドン・レアード
遊撃 中島卓也

 大野は、鶴岡慎也や市川友也らとシーズンを通じて併用されることが多かったが、12、13年と開幕スタメンを勝ち取り、リーグ優勝した12年には吉川と共に最優秀バッテリー賞を獲得、ベストナインにも輝いた。16年には選手会長兼主将として日本一にも貢献。18年に中日へ移籍した。

 中田は2011年から9年連続2桁本塁打、14年から3年連続で100打点を超え、14、16年の打点王となるなど長く活躍し、ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞は3度受賞している。田中は10年に打率.335、リーグトップの得点圏打率.419をマークし、12年オフにはメジャー挑戦。15年に復帰すると、同年ベストナインに選出された。今季限りで現役引退した。

 三塁手はレアード。2010年に打率.311、16本塁打、リーグトップの109打点を挙げてベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した小谷野栄一と迷ったが、16年に本塁打王を獲得するなど日本一に大きく貢献し、ファンに愛されたレアードとした。中島は守備と俊足を生かして活躍し、15年には34盗塁でタイトルを獲得した。2018年から選手会長にも就いた。

【外野手】
西川遥輝
陽岱鋼
近藤健介

 西川は40盗塁以上3度をマークするなど俊足を生かし、3度盗塁王に。通算200盗塁も達成した。陽は2014年に自身最多の25本塁打85打点、20盗塁、打率.293とキャリアハイをマーク。13年には47盗塁でタイトルも獲得している。17年に巨人に移籍した。近藤は18、19年に打率3割をマーク、今季は最高出塁率(.422)のタイトルも獲得した。

【指名打者】
大谷翔平

 大谷が、打撃でも素晴らしい数字を残した。2016年には初めて打率を3割台(.322)に乗せ、22本塁打67打点をマーク。投打にわたる活躍が評価され、最優秀選手に選ばれた。

【監督】
栗山英樹

 2012年に就任し、在任8年で5度Aクラス入りに導いた。就任1年目に3年ぶりのリーグ制覇を果たすと、16年にも優勝。日本一になった。チーム成績だけでなく大谷の二刀流を後押しするなど選手の起用でも手腕を発揮した。今季は5位に沈んだが、9年目の来季は再びチームを浮上させることができるか。(Full-Count編集部)

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