走攻守 そろう二刀流 野球U-12、U-15日本代表・田栗慶太郎

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「野球も勉強も手を抜かずにやりたい」と話す田栗(日野中)=佐世保市、日野中

 全国区の選手になって甲子園に出場、その後は東京六大学でプレーする。プロ入りできればうれしいけれど、将来は教師になって子どもたちに野球の面白さを伝えたい-。だから今は、野球も勉強も手を抜きたくない。日野中3年の田栗慶太郎は15歳にして、自らの人生設計をしっかり語れる。

 2016年にU-12、2019年はU-15日本代表に選ばれ、いずれもBFAアジア選手権優勝に貢献した。U-12は最優秀救援投手に輝き、今夏のU-15は打線の主力として活躍。身長183センチ、体重80キロの二刀流は、慣れ親しんだ軟式ボールを離れて、来春、硬式の高校野球へと舞台を移す。

 エンゼルスの大谷翔平を参考にしているという打撃センスをはじめ、走攻守の三拍子がそろう中、最も好きなのは「ピッチャー」。直球の後の緩い変化球で、打者がタイミングを外して空振りするのが「一番気持ちいい」と声を弾ませる。

 中学野球は引退したが「これが楽だから」と髪は今も丸刈り。性格は「きちょうめん」で、普段は「どちらかといえば、いじられ役」と笑う。その人柄について、野球部の立岡誠司顧問は「ジャパンに選ばれて、てんぐになっておかしくないのに、全然えらそうにしていない」と評する。

 卒業後は県内で進学予定。「指導者、保護者、長崎の人たちのおかげで代表に2回も選ばれたし、今の自分がある。県勢初の夏の甲子園優勝を目標に、野球で長崎に恩返しがしたい」と頼もしい。

 U-15代表メンバーの中で、U-12でチームメートだった選手はいない。都市部では実力者が中学から硬式クラブでプレーするのが主流というのが理由の一つ。次に目指す甲子園やU-18代表入りは、そんな選手たちとの競争となるため、これまでと比べられないほど狭き門となる。それでも「誰にも負けない長所をつくり、そこを伸ばす」と覚悟を口にする。

 大事にしている言葉がある。U-12代表の仁志敏久監督から教わった「最高の準備をして臨め」。高校入学まで残り約3カ月。文武両道で、やれるだけのことをやり続ける。

 【略歴】たぐり・けいたろう:小学校低学年からソフトボールを始め、佐世保市の祇園小に転校した4年途中から、戸尾ファイターズで野球に転向した。日野中では遊撃手だった2018年、全国中学大会に出場。内野のポジションはすべて経験した。右上手投げの左打ち。投手では直球、打者では低めのボールをすくい上げて遠くに飛ばす打撃が持ち味。