2020年 長崎県内自治体の選挙

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 今年は対馬市を皮切りに、壱岐市、西彼長与町、新上五島町、五島市、島原市の6市町で首長選が実施されるほか、東彼波佐見町議選、欠員に伴う対馬市議補選、壱岐市議補選が予定されている。任期が折り返しを過ぎた衆院も年内の解散・総選挙が取り沙汰されている。県内政局を展望する。

■市長選

◎比田勝氏 再選狙う 対馬
 対馬市長選を巡っては、昨年9月、現職の比田勝尚喜氏(65)が、再選を目指し無所属での出馬を表明した。同11月には大票田の厳原町に後援会事務所を開設するなど臨戦態勢を敷く。今のところ、対抗馬の動きは見られない。
 比田勝氏は副市長を辞し前回市長選に立候補。自民、公明の推薦を受け、組織票を手堅くまとめて三つどもえの戦いを制した。今回も自身の支持層や自公票などを足掛かりに展開する構えだ。「足腰の強い観光産業づくり」などを訴え、市政報告会を今後、島内各地で開く。

◎白川氏 4選出馬へ 壱岐 
 壱岐市長選には、現職の白川博一氏(69)が4選を目指し無所属で出馬する意向を表明している。
 昨年12月の市議会で白川氏は「新しい施策などへの道筋を立てることが大きな責務ではないかと思うに至った」と強調。続投に意欲を見せた。
 2004年の新市発足以来、激しい市長選が繰り広げられてきた同市。今のところ、意思表示したのは白川氏だけだが、前回は告示2カ月前に新人2人が名乗りを上げた。今回も現職批判層などから出馬の動きが出てくる可能性がある。

◎複数立候補の動き 五島 
 五島市長選は、新人で自営業の中西大輔氏(30)が無所属での立候補を表明。現職の野口市太郎氏(64)は3選出馬を「検討中」としているが、周辺によると立候補の意向を固めつつあるもようだ。他にも水面下で出馬を探る動きがある。
 野口氏は観光振興や移住促進などによる定住・交流人口の拡大に努め、「軌道に乗せたい」と意欲を見せるが、慢性的な人手不足への不満や地元経済への波及効果を疑問視する声も。中西氏は情報通信技術(ICT)活用による行政効率化、島内での循環経済実現などを掲げる。

◎古川氏 3選に意欲 島原 
 島原市長選は現職の古川隆三郎氏(63)が3選への意欲を示しており、今後、正式に出馬表明するとみられる。ほかに立候補の動きは見られない。
 元市議の古川氏は2012年、特定政党とは距離を置いた“市民党”を掲げ、当時の現職との一騎打ちを制した。前回は無投票で再選を決めた。
 人口減の中、古川氏はほ場整備や婚活事業などを展開。「市の合計特殊出生率を2.07にまで向上させた。政策の“一丁目一番地”は子育て支援。移住・定住の促進などとともに引き続き力を入れたい」と語る。

■町長選

◎吉田氏 3選目指す 長与 
 西彼長与町長選を巡っては、現職の吉田慎一氏(68)が、3選を目指し無所属での出馬を表明している。
 吉田氏は「2期8年、さまざまな施策に取り組んできたが、まだ志半ば」と意欲を燃やす。町財政を圧迫してきた高田南土地区画整理事業は本年度、残工事について一定のめどが立つ見通しで、「将来の町のグランドデザインに道筋をつけたい」と話す。
 今のところほかに立候補の動きは見られない。前回町長選、昨年4月の町議選と無投票が続いており、有権者からは選挙戦を望む声も聞かれる。

◎江上氏 態度表明へ 新上五島 
 新上五島町長選は、立候補への目立った動きは見られない。現職の江上悦生氏(72)は近く、態度を明らかにする見通しだ。
 江上氏は前回、少子高齢化対策として中学生までの医療費無償化などを掲げ、無投票再選。「(町内に構成資産がある)世界文化遺産登録など多くの場面に立ち会えた。後援会と相談しながら3月の定例町議会までには結論を出したい」としている。

◎波佐見町議選 “様子見”多く動き見られず
 東彼波佐見町議選(定数14)には今のところ、現職を含め目立った動きは見られない。現職は「直前まで腹の探り合い」「表面化するのは数カ月先」と“様子見”が多いが、大半が出馬に前向きとみられる。
 現行の定数になって以降、投票率は2012年が74.23%、16年は68.39%と低下傾向。18年の町長選も過去最低の65.25%にとどまり、有権者にどう訴えるかが課題だ。

◎対馬市議補選
 欠員に伴う対馬市議補選(被選挙数1)では、今のところ、元職2人が無所属で出馬の準備を進めている。社会福祉法人役員、入江有紀氏(77)は医療体制の強化を、介護予防自主グループ代表、脇本啓喜氏(52)は持続可能な地域づくりをそれぞれ掲げ、選挙戦に臨む構えだ。

◎壱岐市議補選
 欠員に伴う壱岐市議補選(被選挙数1)には、今のところ、共産党壱岐支部長の山口欽秀氏(66)と、勝本町漁協職員の中原正博氏(57)の新人2人が立候補を予定している。山口氏は「住民の声を行政に届けたい」とし、中原氏は「漁業者と行政のパイプ役として活動したい」としている。ほかに、新人1人が出馬に前向きな姿勢を見せている。