東洋大、挽回の復路へ 鉄紺の逆襲なるか

箱根駅伝、区間エントリーとコース解説 3日朝スタート

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森尾 伊久美

TOYO Press Editor

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陸上競技を中心に、東洋大学のスポーツを取材しています。

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 2日始まった令和最初の箱根駅伝。往路は大荒れだったが、東洋大は2名が区間新記録を叩き出すなど、着実に爪痕を残した。あす3日は巻き返しの復路となる。

 往路と違い、朝の時点で当日変更となる区間が出る可能性があるが、現時点でのエントリーではどのようなレースが見込めるのか。箱根駅伝担当記者が区間エントリーとコースを分析する。

6区・今西駿介

 1区の西山と同様、3年連続で今西が選ばれた。年々タイムを縮めているが、今年は昨年区間賞の小野田(青学大卒)や同区間2位の中島(東海大)が走らない分、ここで差を詰めたい。

 壮行会では、前回大会よりも遅い58分30秒を目標タイムにあげて酒井監督から突っ込まれていたが、57分台の走りと、いまやキャッチフレーズとなった謎発言「人間卒業」に期待したい。

 急激に山を下っていく6区は、もはや下るというよりは転がり落ちるようなコース。カーブが多いことや、気温によっては路面が凍結するおそれもあり、コース取りがポイントになる。18km付近の箱根湯本まで監督車が付かない特殊な区間で、自己判断が求められる。学生最後の箱根も、出雲・全日本のように区間上位に食い込む、頼もしい走りで終わりたい。

7区・山田和輝

 1年生から山田がエントリー。11月の日体大記録会では10000mで29分20秒をマーク。1年生の中では僅差で3番手のタイムを持っている。例年は7区が復路の流れを作る区間として重視されている。今回は9区を手厚く固めている大学もあるとされ、「繋ぎ区間」が消えた箱根で最も1年生が走りやすい区間かもしれない。

 7区は9kmあたりから小刻みなアップダウンが続き、しっかりペースを刻んでいくことが要求されるコース。山から海への移動になることと、山から冷たい風が吹き降り、太陽が昇って気温が上がることで、寒暖差が一番大きい。

8区・前田義弘

 全日本で6区を走った前田がエントリー。例年は下級生が走る傾向があるが、今回はオーダーを見る限りでは8区を重視する大学が多そうだ。昨年は当時1年生の鈴木(済2)が区間3位の走りをしたが、小松(東海大)に首位を明け渡す結果となった。今回も東海大からは小松の出走が決まっており、並走は避けたい。

 8区は走るスピードが追い風に相殺され、体感として無風になるという。暑さが選手を苦しめるコースだ。湘南路には海風が吹き、後半は上りが続く。15km地点では東京五輪代表が決まった50km競歩の川野将虎(総情3)が給水係を担当する。上級生との当日変更もあり得るが、全日本の雪辱を晴らせるか。

9区・定方駿

 出雲・全日本でエース区間を走って結果を残してきた定方は、2区の逆走「裏エース区間」での起用に。9区は例年どの大学も上級生を使うことが多く、23.1kmと距離が長い。温存された定方がエース級に戦えるオーダーだろう。

 定方は単独走に強く、追う展開になっても追われる展開にも耐えうる。定方家は父も兄も箱根を走った陸上家族。1日のニューイヤー駅伝の3区で5人抜いた兄の俊樹選手(14卒)は、箱根の第89回大会で5区を走り、往路3位でゴール。調子を崩しメンバーを外れ、翌年は箱根の風の様子を伝えるだけのために芦ノ湖にいた経緯がある。最高のラストランで最後の箱根を締めくくりたい。

10区・古川隼

 10区も1年生から古川がエントリー。1年生は積極的に練習をしていると上級生からの評価も高い。古川も今シーズンの記録会で29分台の好記録。壮行会では「抜かれない」走りではなく「突き放す」走りをしたい、と強気な姿勢を見せていた。前回10区を走った大澤(済3)やロードで結果を残してきた蝦夷森(ラ2)に代わるかもしれないが、できるだけ下級生に経験を積ませたいという酒井監督の思惑も感じ取れる。

 10区は1区よりやや長い23kmで、昨年のように優勝争いがもつれ込む可能性もある。大手町の大歓声を浴びながら、9人分の汗が染み込んだ襷を胸に、仲間が待つゴールに今年こそ最初に飛び込んでほしい。