2020年お金を貯めるためにすべきこと、お金のプロが考えた具体的な「貯め方」「投資」「削り方」

あけましておめでとうございます。2020年は「オリンピック」Yearですね。筆者は卓球が当たったので、今からワクワクしています。また、2020年はマーケット面でも大きなインパクトを与えるであろう「米国大統領選挙」があります。トランプ大統領が再選となるのか見ものです。

そして2020年は「キャッシュレス決済」が引き続き盛り上がることが予想されます。2019年に起爆剤になったのは国が推進している『キャッシュレス・消費者還元事業』でした。この還元策は2020年6月末で終了する予定ですが、9月から新たな還元策の実施も政府の2020年予算案に組み込まれました。

今回は、2020年お金を貯めるためにすべきことを、具体的に皆さんと考えていきたいと思います。お金を貯める仕組みづくり、キャッシュレスの活用法、投資による資産形成まで、できることから始めましょう。


その1:お金を貯める「目的」「目標金額」「期間」を明確にする

『お金を貯めたい』という願望は、『痩せたい』に似ていると言われます。漠然と「お金を貯めたい!」と思っていても、人間は意思が弱く続かないものです。

お金を貯める目的は、もしものためなのか、教育資金のためなのか、老後資金のためなのか、住宅購入資金のためなのか、余暇・レジャーのためなのか、さまざまあります。まずはこの目的を設定しましょう。

次に数値化することが大事です。目的だけ設定して終わりでは意味がありません。具体的に、「目標金額」と「期間」を決めましょう。そのあとにステップ化をします。

例えば、「家族で行く海外旅行資金のために100万円を1年で貯める」と決めたとします。この目標を細かく「毎月8万3400円貯蓄する」または「毎月5万円貯蓄、ボーナス2回で40万円貯蓄」といった具合にステップ化します。

貯蓄する習慣がない方は、初めはハードルが低い目標や簡単なステップを設定して、無理なく始めるのがポイントです。

その2:支出を見直して貯蓄金額に回すお金を増やす

お金を貯めるために、あなたなら何から削りますか?

「将来のための貯蓄」「食費」「外食費」「レジャー費」「洋服代」「おこづかい」「住居費」「住宅ローン」「駐車場代」「自動車関連費」「保険料」「水道光熱費」「通信費」「教育費」「その他ローン」……

食費、外食費、レジャー費、洋服代、おこづかいを選択してしまった方は要注意です。
マネー相談に訪れるお客様、講演にいらっしゃるお客様、周りの友人・知人を見ていると、変動費のやりくりをしようと思った人はお金が貯まらない人。

固定費を削れる人はお金が貯まる人です。
固定費を一度見直せば、その効果がずっと続きますから確実に貯蓄できる金額を増やせるわけです。

節約を行う場合は、効果の高い順に行うのが鉄則です。
効果の高い順に並べたのが以下の通りです。

(1)固定費の節約
(2)無駄使いを減らす
(3)変動費を減らす
(4)時間の節約

その3:「必要かどうか」の基準をノートに書き、日々の買い物に役立てる

昔と比べ、ネットショップで何でも揃う時代です。多くの人がAmazonや楽天市場を使っていることでしょう。

筆者もよくAmazonを利用していますが、ネットショップを利用する際は注意が必要です。なぜならば、ある商品を購入すると、「こちらの商品を購入した方はこの商品も購入しています」と商品のレコメンドを必ずされるからです。

他の人は当然買っているけど、あなたは買わないの?と言われたら、買わなければ損する気がするわけです。ここで、まんまと商品を購入してしまってはネットショップ側の思うツボ。

重要なのは「欲しい」ではなく、「必要」かどうか。モノを買うときに必要かどうかの判断基準を持っていると、無駄な出費や衝動買いを抑えることができます。

その4:キャッシュレス決済を活用する

キャッシュレス決済には、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、スマホ決済があります。どれも、現金決済で得られない特典があります。それは「ポイント還元」です。

読者の多くがクレジットカードは使ったことがあるとは思いますが、購入金額の1%とポイントがついたりしますよね。1回のポイント還元は大した金額ではなくでも、積み重ねれば大きな金額になります。買い物をするならキャッシュレス決済の方がお得なわけです。

また、2019年10月1日からの消費税増税に合わせて、2020年6月末までの9か月間、国は「キャッシュレス還元」を推進しています。これは、キャッシュレス決済を行うと5%または2%のポイント還元が受けられるようになるというもの。具体的には、「中小の小売業、飲食店、宿泊施設など」は5%還元、「大手チェーンのコンビニ、レストラン、ガソリンスタンドなど」は2%還元となります。

そして「キャッシュレス還元」が終わった後は、2020年9月からは2021年3月までの7か月間、「マイナポイントを活用した消費活性化策」が実施される予定です。これは、マイナンバーカード保有者がスマホ決済・電子マネーからサービスを1つ選び、2万円分を前払いすれば5000ポイントをもらえる仕組みのようです。

キャッシュレスサービス独自のポイントと国からのポイントを合わせたら、数%~十数%になります。キャッシュレス決済は使わないと損なのです。

ただし、キャッシュレス決済がお得だからと、お金を使いすぎては意味がありません。キャッシュレス貧乏になりかねないからです。よって、利用した金額の管理はしっかり行いましょう。「何に」「いくら」使ったのかを把握し、予算管理するのが大切。

また、たくさんのキャッシュレス決済サービスを使用すると家計管理が大変なので、クレジットカードは2枚、電子マネーは1つ、スマホ決済は2つと、5つに収めるのが目安です。もしこれよりも多いなら、2020年中にぜひとも見直してほしいですね。

その5:「先取り・強制」貯蓄をする

お金を確実に貯めるには、「収入から支出を引いて、余ったものを貯蓄」ではなく、「収入が入ったらすぐに貯蓄、残ったお金で生活のやりくり」が鉄則です。人間は意志が弱いので、仕組み作りが大切ということ。

「収入-支出=貯蓄」はNG!
「収入-貯蓄=支出」が正解!

そこでぜひ活用したいのが「先取り・強制」貯蓄の仕組みです。
以下、オススメの「先取り・強制」貯蓄をご紹介します。

「ネット定期預金自動積み立て」
給与が振り込まれる銀行口座から、ネット定期預金に自動で積み立てするという方法です。積み立てる日を給与振込日の翌日に設定すれば、ほぼ給与天引きの状態となり確実にお金を貯めることができます。

積立定期預金はソニー銀行、楽天銀行、イオン銀行などがありますが、各銀行で預け入れ期間や利子率が異なります。よりお得なところで始めるのが良いでしょう。

なお、メガバンクであるMUFGは取引が2年間ない預金口座について、年間1200円程度の口座管理手数料を導入することを検討しているようです。すでに口座を持っている預金者は対象ではないようですが、今後どうなるかはわかりません。2020年はお金の置き場所を、どうしていくか考える年になりそうです。

投資信託積立:「つみたてNISA(積立NISA)」
2018年1月から始まった「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得た利益にかかる約20%の税金を、20年間ゼロにできるお得な制度です。
つみたてNISAで選ぶ運用商品は、投資信託とETF(上場投資信託)です。

投資信託とは、投資家の皆さんがお金を少しずつ出し合って集め、そのまとまったお金をプロであるファンドマネージャーが運用する金融商品です。ファンドマネージャーが株とか債券とかいろいろな運用商品に投資してくれます。投資家は運用がうまくいけば利益を得られますが、運用がうまくいかなければ損をすることもあります。

通常、ひとつの投資信託は数十から数百もの投資先に投資しますので、投資信託をひとつ買うだけで、数十から数百もの投資先に分散投資したのと同じような効果を得られます。投資信託は、「先進国株式型」「新興国債券型」「REIT(リート)」「金(ゴールド)」など様々あります。

つみたてNISAを活用すれば、年間40万円まで、非課税期間は20年間と長期にわたって、税金がかからずに運用できます。選べる商品は、金融庁の厳しい基準をクリアした商品だけ。12月27日現在、173本から選ぶことになります。

つみたてNISAのメリット、デメリット、注意点については、こちらの記事でチェックしてみてください。

まだまだできる貯蓄の仕組み

投資信託積立:「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」
iDeCoは、個人で老後の資産をつくりやすくするために、国が用意した制度です。現役時代に一定金額を毎月積み立て運用し、その運用結果を老後に受けとることができる仕組み。

iDeCoは、掛け金が全額所得控除になることで所得税・住民税の負担が減る、運用中の利益に税金がかからないなど、節税効果が得られるメリットがあります。

特に凄いのが、掛け金が全額所得控除されること。年末調整や確定申告を行うことで、所得税や住民税が戻ってきて、節税ができます。

例えば、年収500万円の人が、年間24万円の積み立てを行った場合、所得税で2万4,000円、住民税(一律10%)からも2万4000円と、合計で4万8000円の税金が取り戻せます。10年で48万円、20年で96万円です。老後まで30年あれば、節税だけで144万円も得できます。

ただし、iDeCoは老後の資産形成が目的なので、積み立てるお金は60歳まで引き出すことができません。なので、毎月貯蓄できる金額があまり多くできない方は掛け金を少なくして活用したり、途中で解約したいニーズがあるならつみたてNISAを優先的に活用したりすると良いでしょう。

iDeCoは、意思が弱い人でも確実に老後のお金を貯めることができる制度と言えます。


大事なのは、お金のことを真剣に考えて、行動することです。お金は人生を映し出す鏡。行動しか人生は変わりません。ぜひ、一歩を進んでくださいね。

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