ベレニケの髪の渦巻銀河「NGC 4455」。かみのけ座とその逸話

【今日の天体紹介;渦巻銀河NGC 4455】

この薄ぼんやりした銀河は、かみのけ座の方向約4500万光年先に位置する渦巻銀河「NGC 4455」です。NGC 4455は、別名LEDA 41066やUGC 7603としても知られており、1785年4月にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。

かみのけ座と言えば、NGC 4889やNGC4874を含む「かみのけ座銀河団」がある事でも知られています。星座の中でも珍しい人間の一部分である「かみのけ」の名称ですが、星の学名では「Coma Berenices(ベレニケの髪)」と呼ばれ、歴史上で実在した古代エジプトの女王ベレニケ2世にちなんで名付けられています。また、ハッブルのサイトではベレニケ2世の物語は非常に興味深いものだ、とコメントしています。

夫のシリア遠征(第三次シリア戦争)に際し、かみのけ座の逸話を残している。ベレニケ2世は、夫が無事に戻ったならば、美しく、かつ美しいゆえに有名であった自分の髪を女神アプロディテに捧げると誓った。夫が戻ると、王妃は髪を切り、女神の神殿に供えた。

翌朝までに、髪の毛は消えていた。王と王妃は大変に怒り、神官たちは死刑を覚悟した。このとき、宮廷天文学者コノン (Conon) は、神は王妃の行いが大変に気に入り、かつ、髪が美しいので大変に喜び、空に上げて星座にした、と王と王妃に告げ、しし座の尾の部分を指し示した。王と王妃は満足し、コノンのこのとっさの知恵により、神官たちの命は救われたという。この逸話にちなんで、現在この領域はかみのけ座 (Coma Berenices) とされている。(Wikipedia引用)

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」で撮影され、2019年12月30日に公開されました。

Image: ESA/Hubble & NASA, I. Karachentsev et al.
Source: HUBBLE

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