海岸に面した大型ペンションで、ダイビングなどが楽しめるマリンスポーツ施設も備えた「オーシャンヴィレッジ三浦」(三浦市三崎町諸磯)が、期間限定で映画の上映会を催している。市内に娯楽施設が少なく、常設の映画館もないことから、秋、冬の閑散期に合わせて企画した。地元に生まれた新たな「映画館」に来場者から好評の声が上がっているという。
オーシャンヴィレッジ三浦は、元は私立栄光学園中学・高校(鎌倉市)が臨海教室を実施してきた建物。運営会社が買い取り、大規模改修を経て2013年7月にオープンした。
個室やドミトリー(相部屋)の計14室で最大約80人が宿泊可能。日帰りでも海岸でのマリンスポーツを楽しめるほか、ダイビング専用プールを構え、講習なども開いている。
映画上映は、気温が下がる秋、冬の集客策の一環。企業研修などで利用されるプロジェクターといった既存設備などで手軽に始められる「マイクロシアター」のサービスを提供している会社と契約した。会場として施設内のレストランを利用し、壁に縦約1.5メートル、横約2.4メートルの映像を投影。ゆったりとしたソファ席などを設け、最大60人まで収容できるという。
19年11月23日にあった上映会では、観客10人ほどがソファに腰掛け、ポップコーンを片手にゆったりとした雰囲気の中で鑑賞。今後も幅広い世代が楽しめるものなどを選んでいくという。
市によると、市内にはかつて常設の映画館が3館あったが、1980年ごろまでにいずれもなくなった。それだけに、上映会に訪れた人からは「市内に夜の娯楽がなかったので、楽しみたい」との声が聞かれた。
施設は入り組んだ立地にあり、地域住民への認知度を上げたいとの狙いも。担当者は「ゆっくりとくつろぎ、非日常を味わってもらえたらうれしい。幅広い年代の人に来てもらい、地域の活性化にもつながれば」と話している。
ことし3月まで月2回、土曜夜に開催し、来年の秋~冬も続ける予定。
問い合わせは、オーシャンヴィレッジ三浦、電話046(880)0831。