発達障害、よりどころに 大和市特別支援教育センター

発達障害のある子どもらが利用する通級指導教室=大和市特別支援教育センター

 昨年4月に開所した大和市特別支援教育センター(同市林間2丁目)が、発達障害のある子どもやその保護者らのよりどころになっている。特別支援教育に関する総合的な機能を備えた拠点施設としてオープンし、半年で既に100人の児童・生徒が通級指導教室を利用。保護者からの相談も1.5倍に増えた。市教育委員会は「想定を上回る利用状況」とし、その理由を「関連業務を集約して独立したことで、利用しやすくなったのでは」と分析している。

 センターは、閉館した林間学習センターの建物を活用。▽通常の学級に在籍し、情緒面や行動面などに課題を示す児童・生徒を指導・支援する通級指導教室「はぐくみの教室」▽特別支援学級に在籍する不登校の児童・生徒を援助する教育支援教室「ひだまりの教室」▽子どもや保護者、教職員から受け付ける相談センター▽教職員の専門性を高める研修施設-の四つの機能を持つ。

 市教委指導室によると、通級指導教室は当初、児童60人、生徒11人が利用していたが、現在はそれぞれ81人、19人に増えた。子どもたちは放課後などに、週1回から月1回までの頻度でセンターを訪れ、集団で授業を受けるためのコミュニケーションの方法などを学んでいる。担当者は子どもたちが通う学校にも足を運び、担任教諭に助言もする。

 教育支援教室では現在、児童2人、生徒2人に対し、マンツーマンで指導している。

 相談センターに問い合わせる保護者も大幅に増えた。前年度は4月から9月までで96人だったが、本年度は150人に上った。教職員が対象の研修も、センターの開所で場所が確保でき、前年度より10回多い27回を予定している。

 発達障害に対する理解の広がりを背景に、通常の学級に在籍し、個別の指導・支援が必要とされる子どもたちは市内でも増加傾向にある。児童で約1300人、生徒で約600人と全体の1割を占め、5年前の約1.5倍になっている。市教委指導室は「今後さらに利用者が増えるようであれば、対応する職員の確保が課題になる」としている。

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