【おもしろ小箱】 No.201「『ツバキ』と『メジロ』の関係」

▲頭が花粉で黄色いメジロ(萩市笠山)

 明けましておめでとうございます。本年も山口博物館をよろしくお願いします。

 さて、厳しい冬に咲く数少ない花の中でも、特に「ツバキ(椿)」は冬景色に映える日本を代表する花と言えます。

 虫が少ない冬に花を咲かせて大丈夫なのかな?と心配になる人もいるかもしれませんが、ツバキは虫だけでなく「メジロ」などの小鳥にも花粉を運んでもらうので、虫がいなくても大丈夫! そのため秋から春まで長い期間花を咲かせ、赤く目立つ花弁(花びら)は鳥がとまりやすいように丈夫にできています。そして花の蜜を吸いに来た小鳥の頭にたっぷり花粉をつけて運んでもらうのです。

 ちなみに、このあたりで野生のツバキと言えば「ヤブツバキ」のことですが、東北などの雪が多い地方には「ユキツバキ」という種もあります。また古くから観賞用として親しまれてきたので多数の園芸品種があり、サザンカとの区別が難しい品種もあるので注意が必要です。

山口県立山口博物館学芸課長 植物担当 杉江 喜寿

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