暖冬 三浦に異変? 夏のチョウ観察、八重水仙開花

 年末年始も続いた暖かい日が、三浦半島の自然にも影響しているようだ。チョウの調査研究に取り組んでいる男性が、冬場には観察が難しいモンシロチョウを採集した。三浦・城ケ島に群生する「八重水仙」も開花が早まっている。

 モンシロチョウを捕まえた芦澤一郎さん(68)=三浦市初声町下宮田=は「相模の蝶(ちょう)を語る会」などに所属し、長年にわたって調査活動を続けている。

 年始の5日、逗子市内の海岸近くへチョウの越冬状況を調べるために出掛けた際、チョウを採集した。「モンシロチョウをまさかこの時期に採集できるなんて。非常に珍しい」と、興奮気味に語る。

 屋外で飛ぶ成虫を観察できるのは、一般に3月中旬ごろから12月初めごろまで。会メンバーが県内で観察した報告例は過去にあるが、極めて少ないという。芦澤さん自身は初めてだ。

 採集した成虫は春に発生する春型よりも一回り大きく、夏以降に発生するタイプだった。芦澤さんは「暖かい日が多いので、1月になっても夏型が生き残っている可能性がある」と推測する。

 植物にも異変が見られる。県立城ケ島公園では、城ケ島自生の八重水仙約30万株が、「水仙まつり」(10日から開催)を前に、既に五分咲きになった。

 「この冬の開花は、例年より1週間から10日ぐらい早い。咲き具合にばらつきが目立つ。いつもと違う」。公園管理事務所は、暖かい日が続く天候状態を気に掛ける。

 暖冬を受けて観賞に訪れる来園者の出足は早く、年明けから開花状況の問い合わせが相次ぐ。管理事務所は「例年ならば満開時期は1月下旬だが、今年は早まるかもしれない」とみている。

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