貫井徳郎「微笑む人」初映像化! 松坂桃李が妻子殺害事件の容疑者役

テレビ朝日系では今春、松坂桃李主演によるドラマスペシャル「微笑む人」(日曜午後9:00、放送日未定)を放送する。貫井徳郎氏の同名小説が原作の“最恐”ミステリーを初映像化するもので、松坂は妻子を殺害したエリート銀行員・仁藤俊美役を演じる。

松坂が演じる仁藤は一流大学を卒業後、大手都市銀行に就職し、妻子とともに幸せな生活を送っていたはずが、突然妻と娘を溺死させた罪に問われる男性。さらに、彼が語った「本の置き場所がほしかった」という殺害の動機に人々は驚愕(きょうがく)。世間が注目する裁判の行方。そして次第に仁藤の過去が明かされていく。本作には、ドラマオリジナルキャラクターとして、尾野真千子演じる週刊誌の女性記者・鴨井晶が登場。「週刊海潮」の契約記者で、夫に家事を任せ、再び第一線の記者として活躍しようと奮闘する晶の目線で、仁藤の事件は語られていく。

さらに今作には、晶の上司であり彼女に仁藤の周辺取材を命じる「週刊海潮」のデスク・井上肇役に生瀬勝久、晶とは旧知の仲で仁藤の事件を担当した所轄の刑事・佐藤役に福田転球、拘置所の刑務官・滝沢役に田中要次ら日本を代表する個性派俳優陣も続々出演。脚本は秦建日子氏が担当する。

松坂は「仁藤という男がやってきた行為は、もちろん許されるものではないのですが、台本を読んだ最初の印象では、なぜか嫌な感じがしなかったんです。僕自身も演じるにあたって『仁藤はこんな男だ』というふうに思いすぎない方がいいのかなと考えました。仁藤はどの局面、どんな場面においてもフラット。だからあまり『こうだ』と決めつけることなく、そのフラットであるという部分だけを心にとめていました。作品の全編を通して感情の揺れ動きやテンションが一定という今回のような役柄は初めてだったかもしれません」と役づくりに触れた。

さらに、「この世界の片隅に」(2018年/TBS系)以来の共演となった尾野について「前回は姉弟役という関係性だったので、今回はまったく違う立ち位置です。罪を犯した人間と、それを調べるマスコミ側の人間…。接見室で向き合うシーンも多かったので、以前とはまったく違う感覚でご一緒しました。ワンシーンワンシーンがとても濃いものだったので、お芝居をしていてとても楽しかったです。合間には以前と変わらず他愛もない話ばかりしていたのですけどね(笑)」と笑顔でコメント。続けて「この作品に出てくる言葉には、心に刺さるものがすごく多い。『自分だったらどうするだろう』ということを考える時間ができるような作品なのではないかと思っています」とアピールした。

尾野は「この作品を読んで、まず湧き上がったのは『異様だな』という感情でした。完全に理解できるわけではないのだけれど、『あぁ結局人間っていうのはこういうものなのかな』と思わせるような、とてもリアルな人間の感情が描かれている気がしました。私が演じる鴨井晶という女性は、いわゆる“ジャーナリスト”なのですが、ごく普通の主婦だった女性が、家事を夫に任せ、外に働きに出ている…特別なことは何もない女性でいたいと考えて現場に入りました」と役柄について語った。

また、松坂との共演については「…何でしょうかね、彼の見せる『微笑み』。これまでに私が見てきた『本当にいい人だな』というほほ笑みから一転して、今回は『ぞっとするような微笑み』を見せられました。松坂桃李の中にあるまた新たな表情を垣間見た気がして、これからもさらに違う桃李くんが見たいなと思わせてくれる作品になりました」と期待を込めた。

© 株式会社東京ニュース通信社