春にかけて 平常の状態続く エルニーニョ監視速報

 気象庁は10日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない、平常の状態となっている。今後、春にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高い。

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の 5か月移動平均値。出典:気象庁HP

 12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.3℃で、基準値に近い値だった。海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない、平常の状態となっていることを示している。太平洋赤道域では東部の海面水温は平年並みで、海洋表層の水温は平年からの隔たりが小さいことから、今後しばらくはこの状態が続くと考えられる。エルニーニョ予測モデルも、今後、春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値で推移すると予測している。
 以上のことから今後、春にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない、平常の状態が続く可能性が高い。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)。出典:気象庁HP

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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