何ができて、何ができない?選挙運動と政治活動②実践編|選挙プランナーによる必勝講座【選挙ノウハウ】

選挙プランナー松田馨が、政治家を志しこれから選挙への立候補を考えている方や現職政治家の方へ、選挙に勝つためのノウハウを解説していく『地方選挙 必勝講座』。

前回のコラムでは「政治活動」と「選挙運動」の概念について解説しましたが、今回は具体的にできることできないことを挙げ詳しく解説をします。
公職選挙法を理解し、安全かつ積極的に活動していく為にこの機会にぜひ正しく理解をしていただければと思います。

「選挙運動」と「政治活動」

何ができて、何ができない?

前回のコラムで「選挙運動」と「政治活動」の違いについて解説しましたが、ここでもう一度ポイントを整理しておきます。

図1:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.50

では具体的に何ができるのでしょうか。

事前運動にあたらない政治活動

告示日より前に選挙運動をすることはできませんが、以下の政治活動は認められています。

●政策の普及や宣伝(それに伴うビラ等の発行と配布)、党勢拡大のための活動
●後援会活動(会員の拡大や行事)
●街頭演説会や講演会・議会報告会などの開催(それに伴う告知活動)
●地盤培養行為(地盤とする選挙区で普段から有権者と接触し政見その他を周知する行為)
●社交的行為(但し、あいさつ状の禁止や寄附の制限あり)

名前の入っていないタスキをかけて、駅頭に立ってビラを配ったり、朝夕のあいさつ運動をしている人や、後援会の入会リーフレットを持って、家を訪ねて歩いている人を見かけたことがあるかと思います。
「選挙に立候補するので一票お願いします」とは言えませんが、政治活動の範囲内であればこうした活動は認められています。
政治活動の具体的なやり方については、選挙マニュアル本「地方選挙必勝の手引」にて詳しく説明を行っています。

立候補の準備行為

選挙の立候補にあたっては、様々な準備が必要です。事前運動は禁止されていますが、以下のような行為は基本的に認められていますので、「選挙に立候補する」という相談も一定の範囲ですることができます。

●立候補のための瀬踏み行為
●候補者選考会、推薦会の開催
●政党等の公認や推薦、支持を求める行為
●立候補届出書類の作成や供託金の納付

選挙運動の準備行為

告示日に立候補の届出が受理されれば、候補者として堂々と選挙運動を行うことができます。選挙運動期間は短いため、告示日から効果的に活動するためには万全の準備が必要です。公職選挙法でも、選挙運動をするために必要な準備行為として、以下のような行為は基本的に認められています。

●選挙運動費用の調達
●選挙事務所借入れの内交渉
●出納責任者、立会人等の内交渉
●選挙運動事務員、車上運動員、労務者などの内交渉
●個人演説会での応援弁士の内交渉
●演説会会場の借入れの内交渉
●選挙カー(選挙運動自動車)や拡声機の借入れ内交渉
●選挙ポスター、選挙運動用ビラ、選挙はがき、選挙公報、看板などの作成
●選挙はがきの宛名書き

どこからが選挙運動にあたるのか

事前運動の禁止があるため、告示前の活動が選挙運動にあたらないよう注意しなければなりません。それぞれの活動が選挙運動にあたるかどうかは、選挙管理委員会や所轄警察が実態に即して判断することとなります。

つまり、ビラやポスターなどの文書図画、口頭や街頭演説などの言論、ホームページやSNSなどのネットのいずれかを問わず、行為の内容・時期・対象人数・実績などの状況から総合的に見て「これは選挙運動なのか、政治活動なのか」が判断されることになります。

選挙運動かどうかの主な判断基準

図2:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.52

選挙運動にあたるおそれのある文言

■○○党公認(候補)
■立候補(立候補予定者)
■必勝を期して
■当選を目指して
■市議会議員として活躍など

実際どこまでできる?

実態に即して判断をするという部分がわかりにくいと思いますが、例えば、選挙運動の準備行為として認められるもののうち「内交渉」とされているものが複数あります。内交渉自体は認められていますが、多数の人に対して各種の内交渉がなされることがあれば、これは準備行為に名を借りた選挙運動とみなされる可能性が高いので注意が必要です。

印刷物・街頭演説・戸別訪問など様々な活動がありますが、違反にならないように安全に行うためにはそれぞれ押さえるべきポイントがあります。スペースの関係上、本コラムに具体的な解説を載せることは出来ませんが選挙マニュアル本「地方選挙必勝の手引」にて詳しい説明を行っています。更に深く知りたい方はぜひご一読下さい。

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