ハッブルが映し出す、超新星爆発で注目された渦巻銀河NGC 2770

【今日の天体紹介:渦巻銀河NGC 2770】

この斜めに表示された銀河は、やまねこ座の方向約9000万光年先に位置する渦巻銀河「NGC 2770」です。この銀河では「SN 1999eh」「SN 2007uy」「SN 2008D」「SN 2015bh」といった超新星が観測されています。超新星の名前は「SuperNova」のSNと西暦、発見された順番のアルファベットを組み合わせて付けられます。

NGC 2770の中で発見された4つの超新星の中でも「SN 2015bh」は、2015年の発見当初、超新星とは異なる擬似的超新星として見られていましたが、最終的に天文学者はこの「SN 2015bh」を太陽質量の8〜50倍の恒星がむかえる最期の姿であるII型超新星として分類しました。

またNGC 2770は、低質量ながらも多くの星が属している矮小不規則型銀河「NGC 2770b」と相互作用している可能性があります。その結果、NGC 2770の渦状腕に沿って見られる多くの星形成を促していると思われます。

この画像はハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3「WFC3」の4つのフィルターによって撮影され、2020年1月6日に公開されました。

Image: ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko
Source: HUBBLEIOP

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