ダカールラリー2020:休息日を経て大会は後半戦へ。ステージ7はサインツ勝利でリードを10分に拡大

 2020年のダカールラリーは1月12日、サウジアラビアの首都リヤドからワディ・アル・ダワシールを目指す741kmのステージ7が行われ、カルロス・サインツ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)がステージ優勝を飾り、総合でのリードを10分まで広げた。フェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)はステージ6位で完走している。

 1月5日から17日までの日程で争われている2020年のダカールラリー。11日(土)は走行が行われない休息日でドライバーやライダー、チームスタッフなどはマシンをメンテナンスしながら英気を養った。

休息日の三浦昂(チームランドクルーザー・トヨタ・オートボデー)
休息日にメンテナンスを受ける519号車HINO 600シリーズ

 大会後半戦の幕開けとなるステージ7は競技区間のスペシャルが546km、移動区間のリエゾンが195kmという構成。ステージの半分以上は砂漠地帯を抜けるような1日となった。

 ステージ6までの大会前半戦を終えた時点で、総合優勝争いはサインツ、ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)、ステファン・ペテランセル(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)の三つどもえになりつつあり、ステージ7でもこの3名が最速を争った。

 ステージ7序盤はペテランセルが先行。中盤にはサインツが追いついたものの「(ペテランセル車が巻き上げる)ダストがひどくて近づくことができなかった。だから後ろにとどまることにしたんだ」と勝負を仕掛けるタイミングを狙う。

ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)

 そのサインツは321km付近を通過する頃にはペテランセルを交わしてトップに浮上。最終的に2分12秒リードでステージ優勝を果たした。ステージ2位はアル-アティヤ、ステージ3位はペテランセルだった。

「かなり高速なステージで、ほとんどの時間はアクセル全開だった。いくつか砂丘を越える箇所もあった」とステージを総括したサインツは、総合でのリードを2分12秒ほど広げ、総合2番手アル-アティヤに10分差をつけた。総合3番手ペテランセルとは19分13秒差。

フェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)

 2020年大会がダカール初挑戦のアロンソは、競技2日目にアクシデントで大きくタイムを失ったほかは順調に走行を重ねてきた。このステージ7でもパフォーマンスを発揮し、ステージ6位。サインツとは7分49秒差だった。総合では3時間26分2秒遅れの15番手だ。

 四輪市販車部門を戦う日本勢、チームランドクルーザー・トヨタ・オートボデーはクリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組326号車がステージ39位で総合28番手、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組338号車がステージ41位で総合29番手につけた。

 トラック部門を戦う日本勢の日野チームスガワラは、菅原照仁の512号車がステージ11位に入り、部門総合10番手でついにトップ10入り。総合9番手とは約3分差で、さらなるポジションアップにも期待がかかる。塙郁夫組の519号車はステージ19位でフィニッシュした。

 二輪部門ではケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)がステージを制覇。ステージ2位にはホアン・バレダ(ホンダCRF450ラリー)が続き、ホンダがステージワン・ツーにつけた。

 部門総合はリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)が首位をキープ。総合2番手にパブロ・キンタニラ(ハスクバーナFR450ラリー)、総合3番手にホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)がつけている。

 また、このステージ7では13度目のダカール挑戦となっていたパウロ・ゴンサルベス(ヒーロー450ラリー)がスペシャルステージのスタートから276km付近で転倒。事故現場にはケビン・ベナバイズやトビー・プライスなどが駆けつけ救急処置などを施したほか、ドクターヘリで搬送されたものの、病院で帰らぬ人となった。

 2020年のダカールラリー、1月13日(月)のステージ8はワディ・アル・ダワシール周辺を回るループステージ。ステージ距離は477km、リエゾンは239kmとなっている。

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