「働きがい」ってなんだろう…その価値とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月6日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、健康社会学者で気象予報士の河合薫さんが“働きがい”について見解を述べました。

◆向こう10年のキーワード“働きがい”とは?

経団連の中西宏明会長は共同通信などのインタビューに応じ、世界で急速に進むデジタル化への対応を本格化する考えを示しました。また、「人口知能の開発などには相当専門的な技能や意欲がある人材が必要だ」と指摘し、IT人材の獲得や育成に向け、職務を予め明確にして処遇するなどの多様な雇用体系を取り入れ、働き手の意欲を高める必要性を強調しています。

今や超高齢化時代を迎え、大人人口の10人に8人が40歳以上。50歳以上に絞っても10人に6人。それだけに河合さんは「温暖化と同じで、現実を直視しないといけない」
と言います。

そんななか人手不足が叫ばれ、一方では「45歳以上を対象にした早期退職という名の大規模リストラが行われている」と河合さん。そうした状況において「どう生産性を高めていくのか」ということが問題になると言い、今後10年のキーワードとして“働きがい”
を挙げます。

そして、国連が発表している「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」でも8番目の目標として「働きがいも経済成長も」が掲げられていますが、河合さんは「これを日本でももっと重視していかなくてはいけない」と主張。

河合さん曰く、“働きがい”の原語は“ディーセント・ワーク”。これは1990年に国際労働機関(ILO)で初めて用いられた概念で、「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会保護が与えられる生産的な仕事」だとか。わかりやすく言うと、「働きがいのある、人間らしい仕事ができる環境を作る」
となり、そうした環境ができることで個人の頑張ろうという気持ちが高まり、パフォーマンスが向上。ひいては、生産性が高まるそうです。

さらに、“働きがい”とは何かと言えば、さまざまな調査・研究から導き出されたのが「信頼できる人がいる」、「他者の役に立っている」、「能力を発揮できている」の3つだそう。「これらの感覚があることにより、人は働きがいを感じながら仕事を続けることができる。つまり、誰と何をするかが大切
」と河合さん。

国際ジャーナリストの高橋浩祐さんは“働きがい”について、「自分のやりたいことをやっていくこと」
と言います。記者時代には全然儲からず、生活も大変だったものの、やりたいことをやっていればお金がなくても我慢でき、徹夜してでも記事が書きたくなったそうです。

総じて河合さんは“働きがい”について、「ものすごくモチベーション高く、いつもできることだと思う人が多いが、そうではなく、大変でも明日も頑張ろうと思って翌日も仕事に行ける。つまり、続けられることが働きがい」と持論を述べます。

最後に河合さんは、2019年度版の労働経済分析書にある日本人を対象とした働きがいに関する調査報告を紹介。そのなかでも最も大切なこととして「余暇時間がしっかり取れる、自己啓発に励む経験がある」
を挙げます。昨今、自己啓発についての社内研修は20代を中心としたものばかりだそうですが、今は10人に8人が40歳以上という時代。それだけに、「30代、40代に対して自己啓発ができるような社内研修をやっていくことも非常に重要」
と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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