芥川賞作家 ピース・又吉直樹さんと行く! 本とビールを一緒に楽しめるお店

2020年1回目は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんと一緒に、西18丁目エリアを文学的に散歩です!制作裏話や北海道との意外な関係を大公開です。

本とビールが楽しめる!? 隠れ家的本屋で制作裏話を大公開

又吉さんと言えば、2015年に自身初の本格小説「火花」を執筆し、芸人では史上初めての芥川賞を受賞。その2年後には恋愛小説「劇場」を発行。そして2019年10月に初の長編小説「人間」を手掛けるなど、お笑いと小説を両立する異色のエンターテイナーです。

又吉さん:「札幌は好きで、自分ひとりで来る時がある。季節の変わり目になる感傷的になったりしません?札幌に友だちもいないので、一人ぼっちの寂しさも感じられる…」

そんな又吉さんと西18丁目エリアをお散歩!円山方向へ歩いていると気になるお店を発見しました。3人が訪れたのはビルの5階にある本とビールのお店「アダノンキ」。

店長さんの好きなものをギュッと詰め込んだお店で、物語、ドキュメンタリー、レシピ本、自費出版本など色々なジャンルの新刊本や古本が並んでいます。
お店の一角にはバーカウンターがあり、そこでは店長さんが気になった国内外のクラフトビールが楽しめます!

まずは圧巻の品揃えを誇る本コーナーへ行くことに。

又吉さん:「若いころ、新しい本は大型書店で買えなかった。古本屋さんがあったから本を読めてたのでホンマに感謝してますね。それがなかったら新しい本も今買ってないと思うので」

好きな作家以外に、又吉さんが読みたい本を買う決め手は、「本が光ってる」こと。内容と装丁がリンクしている本が好きなんですって。

そこで、石井リポーターと福本アナウンサーにオススメの本を、読書家・又吉さんに選んでもらうことにしました。

年末年始忙しかった石井リポーターが「現実逃避できる本を…」とお願いしたところ、オススメしてくれたのはこちらの詩集。

又吉さん:「頂いて読みました。一回すべてを忘れられるのではないですか」

続いて、福本アナが「将来出世して役員になりたい」と話したら、それに合う本を探してくれました。

又吉さん:「日常の椅子なので、お仕事されてる誰かの話から入っていくのはどうですか?これは菅原克巳さんという方の詩をもとにそれを物語化しているのかな。俺も買おっかな」

ビールを頂きつつ、話は又吉さんの新作「人間」の話題へ…。

又吉さん:「新聞で連載9か月間やりました。大ベテランの作家だと最後の方は3日後の原稿がないことがあるが、5か月くらい3日後の原稿がない状態。(挿絵担当が)村田善子さんという方で、僕がそもそもお願いしたんですよ、好きで。にもかかわらず、僕が送らないから部屋で軟禁状態。『村田さんが家から一歩も動けずにいます! 原稿待ってます』と…」

と、連載ならではのプレッシャーをお話していただいたところで、運ばれてきたのが「赤ウインナー(たこさん)」(400円)。

又吉さん:「もしかしたら一番好きな食べ物かもしれん…。おいしい。期待を裏切らない。赤ウインナーって食べられるところないんですよ。昔はしょっちゅう食べられましたけど。あるとすごく食べたくなる」

2作目「劇場」を書いてる時期には札幌に3日間泊まり、原稿を50枚くらい書いたという又吉さん。その時はカレーとラーメンを食べていたそうです。

話題は、又吉さんと北海道の意外な関係について…。
実は若いころ、かつて小樽築港にあった吉本の劇場で、1か月間住み込みで漫才をしたという又吉さん。それが小説『火花』の冒頭、先輩と後輩が出会うシーンのイメージのもとになり重要な場所になっているとの話を聞かせてくれました。

又吉さん:「札幌にも3回くらい来たんですよね。華やかだけど知り合いが誰もいない。しんどさもあったんですけど、街に対する憧れもあって。僕にとっては大事な感覚。だからメシも好きだし、人も好きだけど、札幌に来ると憂鬱になるんですよ(笑)。切なくなる、それをもらいに来てる感じ」

又吉さん、素敵な時間をありがとうございました!
本とビールが楽しめるお店「アダノンキ」。又吉さんもすっかり気に入っちゃったようで、たくさん本を買っていましたよ!

【古本とビール アダノンキ】
住所:札幌市中央区南1条西19丁目 ドレイジャータワー5F
TEL:011-802-6837

売り切れ必死! フランス仕込みの本格洋菓子店

他のロケがあった又吉さんとお別れし、2人が訪れたのはマンションの1階で静かにお店を営んでいる「廣川菓子製作所」。

日本語名のお店ですが、店内は洋菓子がズラリと並ぶケーキ屋さんです。
フランスで修業をしたパティシエの廣川さんが開いたお店で、オリジナリティあふれる本格洋菓子が楽しめます。その味と綺麗さに、多い時だと20人以上のお客さんが並ぶそうです。

特別に店内でスイーツを頂けることになりました。まずは、"おいしいのが1日だけ"ということで名づけられた「1日マドレーヌ」。

石井リポーター:「ふわ~としてますね。ベルガモットのさわやかな風味が口に広がります」

そして、シトロンのタルト「タルト シトロン ムラング」を…

福本アナ:「周りがサクッとしてますが、レモンの酸味が強い!でも上のクリームがあるからバランスが効いておいしい」

しかもこちらのお店、洋菓子店では珍しく日替わりのスイーツもあるんです。取材した日のスイーツは「シュークリーム」。焼きたてを頂きます!

石井リポーター:「クリームが濃厚だけど軽い!シュー生地もおいしいです。出会えたらラッキーですね!」

廣川さんが、ほぼお1人でお菓子を作っているので忙しい時などは日替わりじゃないそうなんですが、色んなスイーツが食べられるなんて素敵ですよね。美味しいスイーツ、ごちそうさまでした!

【廣川菓子製作所】
住所:札幌市中央区大通西22丁目 FO22円山1F
TEL:011-215-7818

(2020年1月8日放送「みんテレ」より)

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