MLB機構がサイン盗みの処分を発表 アストロズに厳罰

日本時間1月14日、メジャーリーグ機構はサイン盗み疑惑に関するアストロズへの処分を発表。ジェフ・ルーノウGMとAJ・ヒンチ監督にはそれぞれ1年間の職務停止処分(無報酬)が科され、現在のメジャーリーグの規則における最高額となる罰金500万ドルのほか、2020年と2021年のドラフトにおける1巡目と2巡目の指名権の剥奪が決定した。これを受け、ジム・クレイン・オーナーはルーノウとヒンチの解任を発表した。

今回、処分の対象となったのはルーノウとヒンチのみで、オーナーであるクレインや所属選手に処分は科されなかった。メッツの新監督に就任したばかりのカルロス・ベルトランは2017年に選手としてアストロズに在籍しており、サイン盗みに関わっていたことが報じられていたが、処分の対象とはならず。一方、当時のベンチコーチで現在はレッドソックスの監督を務めているアレックス・コーラは、レッドソックスのサイン盗み疑惑の調査が完了したあとに処分を受ける可能性があるようだ。

解任されたルーノウは声明文のなかで「私は詐欺師ではない。ルールが破られていたことは知らなかった」とコメントし、不正なサイン盗みへの関与を否定。今回のサイン盗みは選手主導によるものであり、ランクの高くない球団職員がベンチコーチ(コーラ)とともに関わっていたと主張した。「知っていれば止めていた」と今回の処分に困惑した様子を見せた。

一方、同じく解任となったヒンチは「サイン盗みを止められなかったことを大変申し訳なく思っている」とのコメントを発表。ただし、ルーノウと同様に不正なサイン盗みへの関与は否定している。2011年12月にGMに就任したルーノウのもとで再建を進め、2015年から指揮を執ったヒンチのもとで頂点を極めたアストロズだが、その黄金期は思わぬ形で終焉を迎えることになった。

なお、メジャーリーグ機構は現在、2018年のレッドソックスのサイン盗み疑惑に関する調査を進めている。不正なサイン盗みという一大スキャンダルが解決するまでにはもう少し時間が掛かりそうだ。

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