Blackmagic Design製品事例:日本とカナダの連携のもと制作されたミニシリーズ「Into the Rising Sun」の場合

Blackmagic Designの発表によると、制作会社のEcho Bay Mediaが、日本とカナダの連携のもと制作されたミニシリーズ「Into the Rising Sun」の撮影にPocket Cinema Camera 6K、Pocket Cinema Camera 4K、URSA Mini Pro 4.6K G2が使用されたという。同作品は2019年12月にカナダのCHCHでプレミア上映された。Echo Bay Mediaは同シリーズをBlackmagic RAWで撮影し、カラーグレーディングにはDaVinci Resolve Studioを使用した。

「Into the Rising Sun」は日本のネットワークTSSと共同制作されたプロジェクトで、Echo Bay Mediaの共同設立者/プロデューサーであるスコット・ウィルソン氏が、日本のまだあまり知られていない地域をオートバイで旅し、様々な景色を紹介する姿を追う。同シリーズの撮影・監督を担当したのは、同じくEcho Bay Mediaの共同設立者であるアンドレ・デュプイ氏で、視聴者は日本の田舎を体験できるとしている。

同プロジェクトで使用する機材を選択する際、ウィルソン氏とデュプイ氏は、軽くて携帯性が高く、かつ最高のシネマルックを提供するカメラを求めた。2台のPocket Cinema Camera 6K、1台のPocket Cinema Camera 4Kを組み合わせることで、ウィルソン氏と制作チームは、大きな機材を持ち運ぶことなく、日本文化の特別な瞬間を捉えることができたという。

ウィルソン氏:あまり目立たない形態で撮影し、日常の自然な姿を撮るのが好きです。Pocket Cinema Cameraは非常にコンパクトなので、そのような撮影も非常に簡単でしたね。例えば、お寺に入って行く時や、フェスティバルの最中、食事を楽しんでいる際などは、Pocket Cinema Cameraで撮影しました。カメラが小さいので、場の雰囲気を害さず、被写体をリアルに撮影できます。私たちにとって、それは非常に素晴らしく、重要なことでした。

また、Pocket Cinema Camera 6Kは、Echo Bay Mediaが必要とする解像度をもたらした。これは、特にオートバイのシーンを撮影する際に大きな利点となったという。

ウィルソン氏:アンドレが車から体を乗り出し、スタビライザーに乗せたPocket Cinema Camera 6Kを使用して、オートバイに乗る私を撮影したりもしました。そのような状況では、揺れやぐらつきは避けられません。しかし、6Kの解像度で撮影したので、ポストプロダクションでショットを調整し、スタビライズして仕上げるのも簡単でした。つまり、ラン&ガン撮影が可能になったのです。

デュプイ氏:小型で、Blackmagic RAWで撮影でき、13ストップのダイナミックレンジを持つカメラは、スタビライザーに乗せて使用するのに最適でした。従来であれば、重いカメラとジンバルを乗せた非常に高価な専用カメラカーが必要となるショットを、簡単に撮影できました。

ドキュメンタリー形式のフッテージを撮影する上で、Blackmagic RAWで撮影できる機能は、デュプイ氏にとって大きな利点であったという。

デュプイ氏:ドキュメンタリー形式の撮影では、冗長性を得るためにフッテージのコピーを3つ保存します。つまり、ハードドライブがすぐに埋まってしまうのです。世界を旅する上で、機材の重さやサイズをできるだけ抑えることは極めて重要です。Blackmagic RAWは、私たちの柔軟性と効率性を高め、最小限のファイルサイズで最高の画質を提供してくれます。

Pocket Cinema Camera 4Kは、暗闇の中の寺院や夜間のオートバイのシーン、あるいは被写界深度が非常に浅いショットの撮影など、明かりがほぼゼロの環境でナイトビジョンカメラ(夜の闇でも見えるカメラ)として使用された。

さらに、デュプイ氏はURSA Mini Pro 4.6K G2をインタビューなど音声コンテンツのメインカメラとして使用した。同カメラにはプロ仕様のXLR入力、アクセスしやすいオーディオコントロール、内蔵NDフィルター、ラテチュードが2ストップ多いなどの特徴があり、インタビューのクロスショットでは、Pocket Cinema Camera 6KとURSA Mini Pro 4.6K G2が併用され、それらの映像はシームレスにマッチしたという。

デュプイ氏:ダイナミックレンジが2ストップ多いことで、私はURSA Mini Pro 4.6K G2を手に取る回数が多くなりました。また、内蔵NDフィルターも私にとって非常に重要でした。特定のF値に固定して、シーン全体を通して一定の被写界深度を得たい場合が多いからです。ノブを回すだけでそれがコントロールできます。

デュプイ氏とチームは撮影全体をBlackmagic RAWで行った。その後、Echo Bay Mediaのカラリスト、ライアン・エドワードソン氏が、DaVinci Resolve Studioで同シリーズのカラーグレーディングを行った。

エドワード氏:ひとつのシーンを複数のカメラで撮影した場合は、それぞれの映像で照明条件が異なりますが、Blackmagic RAWを使用することで、カラーを正確に一致させてブレンドし、編集時に統一感を出すことができます。Blackmagic RAWで色温度を微調整できる柔軟性から、イメージワイプとクオリファイアーRGBピッカーを併用したカラーマッチングまで、DaVinci Resolve Studioはラン&ガン形式のマルチカメラ・ドキュメンタリー作品にプロスタジオの精度をもたらしてくれます。

古くからのBlackmagic Designユーザーとして、Echo Bay Mediaは今後の作品でも既存の機材を使用し続けるとしている。

ウィルソン氏:私たちはBlackmagic Designを10年以上も使用しています。最初に発売されたHDのBlackmagic Pocket Cinema Cameraからですね。最新の機材で制作した「Into the Rising Sun」にとても満足しています。Blackmagic Design製品を使用して次の冒険をするのが待ちきれません。

© 株式会社プロニュース