海面上昇を観測する2機の衛星が打ち上げへ

今年11月に打ち上げられるSentinel-6/Jason Continuity of Service mission(Jason-CS)ミッションでは、海洋上昇に関する観測が行われます。

アメリカとヨーロッパによる共同ミッションとなるS6は、過去30年間行われてきた海洋観測ミッションに続くものです。この調査により、1990年代に海面が約3ミリメートル上昇していることも判明しています。

そして今回のミッションでは、Sentinel-6AとSentinel-6Bの2機の観測衛星により、海洋循環やエルニーニョ、ラニーニャなどの気候変動、ハリケーンや嵐などの気象パターンの研究が行われます。なお、Sentinel-6Bの打ち上げは5年遅れた2025年となります。

海洋レベルの変化には、二酸化炭素の排出による温暖化現象の関わりが指摘されています。また過去25年間、海面レベルの上昇は続きました。

探査機は上空800マイル(約1300km)から10日ごとに海面にパルスを送信し、反射するまでの時間を測定します。そしてGPSと地上レーザーによりその位置を特定し、Doppler Orbitography and Radiopositioning Integrated by Satellite(DORIS)と呼ばれるネットワークを利用して、1インチ単位の海洋測定を実現するのです。

Image: IABG
Source: Space.com
文/塚本直樹

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