ドラレコなど車関連の返礼品人気 見込みの9倍、ふるさと納税事業初の黒字見通し 海老名

海老名市役所

 ふるさと納税を活用した神奈川県海老名市に対する寄付金が2019年度、9億9200万円になる見通しであることが15日、分かった。市が19年度一般会計当初予算で見込んだ額の約9倍に当たる。

 あおり運転の危険性が大きく報道されたことや台風被害が相次いだことで、ドライブレコーダーやモバイルバッテリーなどの返礼品に人気が集まったことなどが要因。ふるさと納税事業の収支も初めて黒字を達成する見通しだ。

 市は同日開かれた市議会臨時会の本会議に、同事業の歳入など6億4747万円を計上した19年度一般会計補正予算案を提出、可決された。

 市商工課によると、寄付件数は昨年12月末現在、2万6337件。前年同期(4604件)の約6倍に増えた。

 寄付が急増した理由に返礼品がある。あおり運転や台風被害などを受け、市内企業が製造するドライブレコーダーやモバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホンなどが一気に人気になったという。

 さらに「楽天市場のふるさと納税サイトから寄付できるようにしたことも大きい」と同課。市は昨年9月、同12月、今回と補正対応を重ねている。

 一方で、他自治体に流れる納税額も年々増えており、20年度は約3億円程度と見込まれる。都市間競争も激しさを増しており、市企画財政課は「副次的な要素が重なった。不確定な要素もある」と慎重な姿勢を崩していない。

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