
大阪商業大の谷岡一郎学長は15日、長崎県佐世保市の長崎国際大で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致について講演。谷岡氏は「カジノは人とお金を回すエンジンとなるが、ここでそれほどもうける必要はない。日本は(エンターテインメントなどの)ノンゲーミングで収益7割を目指せる」と述べた。
「IR誘致による経済効果・社会的コストと大学の役割」がテーマ。市民ら約80人が参加した。
谷岡氏は犯罪学やギャンブル社会学が専門。シンガポールや米ラスベガスなどの事例を紹介し、懸念されるギャンブル依存症や治安悪化は「有効な施策を実行することで抑制できる。(先進地で)重い犯罪は減っている」とした。一方、韓国・江原道のIRは「依存症や犯罪の対策が十分ではなかった。まねしてはいけない」と指摘した。
日本は、世界と比べコンベンションやホテルが不足していると説明。IRは打開策になるとしつつも、「ラスベガスのように(カジノ以外でも)人々を楽しませる所でなければ失敗する」と話した。IRは新たな職種を生む産業で、大学も人材育成を進めるべきだとした。