トレード放出が噂されたRソックス・ベッツは残留濃厚に

今オフ、レッドソックスの年俸総額削減の方針によってトレードで放出される可能性が取り沙汰されていたムーキー・ベッツだが、トレード交渉が進展する気配はなく、レッドソックスの一員として今季の開幕を迎えることが確実となった。チーフ・ベースボール・オフィサーのチェイム・ブルームは「チームを改善できる見込みがないならトレードはしない。それはムーキーの場合も同じだ」と語り、年俸総額削減の目標を達成するだけのためにベッツを放出する可能性を否定した。

今オフのレッドソックスは、ぜいたく税の税率をリセットすることを目指し、今季の年俸総額をぜいたく税の対象とならない2億800万ドル以内に抑えることを目標としてきた。しかし、ここまで年俸総額を削減する有効な手を打つことはできておらず、目標達成のためには依然として2000万ドル前後を削減しなければならない。今季の年俸が2700万ドルに決定したベッツをトレードで放出できれば目標達成に大きく前進するものの、ブルームは目標達成だけのためのトレードを敢行することを否定。「今季の優勝争いはもちろん、今後10年にわたるチーム力の向上につながらないのであればトレードはしない」と断言した。

サム・ケネディ球団社長は「ムーキーはMVPクラスの素晴らしい選手だ。彼がチームにいてくれるのは本当に嬉しいよ。できることなら長期にわたって彼を保有したい」とベッツを絶賛。しかし、ベッツは今季終了後にフリーエージェント市場に打って出る意向を明確にしており、ケネディは「彼は素晴らしいチームメイトであり、素晴らしい人物であり、素晴らしい野球選手だ。これ以上のことは言えない」と慎重に言葉を選んだ。

レッドソックスは年俸総額削減の目標を達成するためにデービッド・プライスやジャッキー・ブラッドリーJr.の放出に動く可能性もあるが、今季の優勝争いに加わることを重視する姿勢も見せている。ケネディは「昨季は84勝に終わったけど、我々はその数字よりも良いチームだと思う」と話しており、ぜいたく税に目をつぶって戦力を維持したまま、今季の開幕を迎える可能性が高まりつつある。

© MLB Advanced Media, LP.