松が枝埠頭 新設岸壁も410メートルに延伸 16万トン級対応 港湾審、県に答申

 長崎県地方港湾審議会(会長・夛田彰秀長崎大大学院教授)が16日、長崎市内で開かれ、長崎港松が枝埠頭(ふとう)に大型船が2隻同時に着岸できるようにする2バース化について、新設する岸壁を当初の320メートルから410メートルに延伸するなど計画の一部変更を承認し、県に答申した。

 県によると、これまでの計画は埠頭(360メートル)を16万トン級の大型船に対応できる410メートルに延伸し、その南側に7万トン級対応の320メートルの岸壁を新設する内容だった。近年のクルーズ船の大型化と寄港数の増加を受け、第2バースの7万トン級対応では構造と性能が不十分と判断し、計画を一部変更した。昨年のクルーズ船寄港件数は183隻。今年は250隻の予約が入っており、将来的には年間500隻の寄港を見込む。
 岸壁の規模と配置の見直しにより、第2バースも16万トン級対応の410メートルに延伸し、水深を10メートルから12メートルに変更。第1バースは延長410メートル、水深10メートルとした。2バース化構想の概算事業費は約180億円。
 委員からは「女神大橋の下を通れない大型船はどうするのか」「ヨーロッパや中国で建造中の船を調査するべき」などの発言が出た。県は「22万トン級の船は小ケ倉柳地区の埠頭に接岸できるよう検討している」とした。

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