NFLとMLBの「二刀流」を夢見るマレー 実現は困難か

NFLのアリゾナ・カージナルスでクォーターバックを務めるカイラー・マレーは、NFLとMLBの両方でプレイする「二刀流」の夢を諦めていないようだ。マレーは、アリゾナ・リパブリックのボブ・マクマナマンに対し、ボー・ジャクソンやディオン・サンダースのように2つのプロスポーツでプレイすることを自身の履歴書に加えたいと発言。「自分の身体能力を考えれば、それは実現可能だと思う」と意欲を見せた。

オクラホマ大学でハイズマン賞(大学フットボールの最優秀選手に贈られる賞)を受賞したマレーは、2018年のドラフトでアスレチックスから1巡目(全体9位)指名を受け、身体能力抜群の外野手として「MLB Pipeline」では球団4位の有望株に位置付けられていた。その後、「大学フットボールを続けたい」という本人の意向が尊重され、オクラホマ大学でフットボール選手としてのプレイを継続。NFLの2019年のドラフトでカージナルスから全体1位指名を受けたマレーは、MLBではなくNFLの道へ進むことを選択した。

今季のマレーは、チームこそ5勝10敗1分と低迷したものの、ルーキーながらパスで3722ヤードと20タッチダウン、ラッシュで544ヤードを記録するなど、正クォーターバックとしての地位を確立。NFLを代表するスター選手への道のりを歩み始めた。しかし、マレーはMLBでもプレイしたいという希望を捨てておらず、「二刀流」の夢を諦めていないようだ。

MLBとNFLの両立がスケジュール的にかなりハードであることに加え、マレーには契約上の問題が立ちはだかっている。NFLネットワークのイアン・ラパポートによると、カージナルスはマレーと契約を結んだ際に、トライアウトへの参加やエキシビション・マッチへの出場を含むマレーの野球活動を禁じており、マレーが野球選手としてプレイしたいのであれば、カージナルスとの契約内容に変更を加えなければならない。しかし、ラパポートは「それは起こりえないだろう」と断言し、カージナルスがマレーの野球活動に許可を出す可能性を否定している。なお、マレーが野球選手としての活動を再開する場合、アスレチックスに保有権がある。

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