厳しさ実感、備え学ぶ 中学校体育館で避難所宿泊体験

「避難所」に集合した参加者たち=浦賀中学校体育館(横須賀災害ボランティアネットワーク提供)

 「震災時避難所」に指定されている体育館で一夜を過ごす宿泊体験が18日から19日にかけて、神奈川県横須賀市立浦賀中学校(同市浦賀)で行われた。横須賀災害ボランティアネットワークが主催し、地域の小中高生とその保護者ら約60人が参加。阪神大震災から25年を機に、災害への備えを確認した。

 同ネットの岩間道夫代表は「大震災を知らない世代が増えてきたからこそ、風化させない努力が大事」、丸瀨正校長は「体験を通してお互いにどのようなサポートができるかを考え、学んだことをみんなに話してほしい」と呼び掛けた。

 参加者は体育館に各自で寝袋や毛布などを持ち込み、就寝場所を整えた。夕食ではレトルトのカレーとご飯を温めるなど手分けして準備。食後は輪を使ってチームワークの大切さを確かめるゲームを体験し、スマートフォンやパソコンによる震災時の防災情報収集の方法も学んだ。

 午後10時の消灯後はぐっすり就寝する人がいる一方、寒さや緊張で寝付けない人も目立ち、寒がる人に衣類を貸すなどの助け合いも。翌午前6時の起床時は住宅内より厳しい寝床から出るときの寒さに驚いていた。

 湘南学院高2年の松尾星那さんは「予想以上に寒かった。冬場は着込める衣類をもっと持参した方が良いと感じた」、市立不入斗中1年の尾関海都さんは「とても貴重な機会で、いざという時に役に立つと思った」と話していた。

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