Off time Vol.16 成功者の横顔 会社または商店など、トップで 活躍する人のオフタイムはどんな顔を 持っているのでしょう。オフタイムから 垣間見るトップの顔をご紹介します。

今月の人

有限会社ビルド・アップ
代表取締役 林田 雄一郎さん

しまなみアイランド2010(10月10日)でのサイクリング風景。

<プロフィール>
京都市出身。学校を卒業後、電気店、不動産会社に務めた後、24歳の時にセミナーに参加し、家業である建築関係の仕事(1941年京都において林田工務店を祖父の林田武一が創業)に目覚める。29歳で有限会社ビルド・アップ(1999年)を大津で設立。地元のネットワークを構築しながら、リフォーム・新築の設計施工をメインに現在では古い建物や古民家などの再生に力を入れ、耐震診断から耐震補強工事まで、お客さま住まいの悩みを解決する住宅アドバイザーとして活動している。

“諦めなければ何でもできる”

趣味のスポーツ自転車から得た教訓を 仕事に活かし、夢はフィールドを世界へと広げる、 祖父から受け継がれた三代目の魂

在は、林田さんと奥さん、お父さんの3人で会社を経営。会社名「ビルド・アップ」には筋肉を鍛えて太くする意味に建物が増強する意味を含んでいると林田さん。

「魂は三代目なんです」と話すのは、リフォーム・新築の設計施工をメインに住まいのアドバイザーとして、きめ細かい対応で仕事をされている林田雄一郎さんです。32歳の時、小学校の卒業で残したタイムカプセルを開き、自分の将来の夢の作文に「大人になったら林田工務店を継いでいるだろう」と書いてあったことに驚いたと言います。林田工務店は林田さんの祖父が創業、その商売を父が継ぎ、普通に行けば林田さんが三代目になる筈でしたが、若い頃は全く家の商売を継ぐ気がなく、親への反抗心もあり、好きな電気関係の仕事や不動産会社にサラリーマンとして勤めていました。しかし、24歳の時に転機が訪れます。あるセミナーを受講したのがきっかけで、家業であった建築関係の仕事に興味を持ち、5年後の独立を目指し工務店に期限付きで修行。その間に建築士の資格も取得し29歳で独立。有限会社ビルド・アップを大津で創業します。大津を選んだのは、仕事で通っていた琵琶湖のロケーションに魅せられたからだと言います。その琵琶湖の景色を堪能したのが、2年半前から始めた趣味のスポーツ自転車でした。「お客さんでスポーツ自転車が好きな人がおられ、初めてのサイクリングは北湖一周でした。長距離では淡路島、四国、しまなみ海道の大会にトライしました。基本的に体育会系ではないので、景色をみながらゆっくり走るのが好きなんです」しかし、約200kmのしまなみ海道の大会のゴール30km手前でパンクしたことで、さらにスポーツ自転車の魅力にはまっていきます。「実はそのとき、私はパンクを修理できなかったんです。時間内にゴールできないと思ってたところに、大会スタッフの方が声をかけてくれて、パンクを修理してくれたんです。そこから一転、気持ちにスイッチが入り、170kmまでバテていたのに、急に力が出て来たんです。これがランナーズハイだったんですね」。趣味のスポーツ自転車から“諦めなければ何でもできる”ことを教えられたという林田さん。1999年に滋賀に来て一から人のネットワークを作り、今ではほとんどが地元のお客さんだと言います。アフターケアを重視し、少なくとも年2回は、お客さんの家を訪問。人とのつながりを大切にすることで、リピーターのお客さんが増えています。「将来のビジョンは若い人材を育てること。そして、高い日本の技術と質の高い住まい文化を世界に発信し、営業のフィールドも広げていきたい」という林田さん。祖父から受け継がれた三代目の魂が、滋賀の地で世界を夢見て、まさにビルドアップしています。

有限会社ビルド・アップは木造住宅の耐震設計や耐震補強工事を得意とするため、震災以降は耐震補強工事も増えてきている。

有限会社 ビルド・アップ

滋賀県大津市南志賀1丁目17-18
TEL:077-527-3155
http://www.b-up.info/

■情報誌「自悠時間」掲載2012年12月

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