おとなの メディカル相談室 vol.4 自悠時間世代に最も大切な「健康」。このコーナーでは、読者からの体に関する質問に「済生会滋賀県病院(栗東市)」の専門医がお答えします。

Q 

先日、健康診断でコレステロール値が低いと指摘を受けました。数値が高くて…という話はありますが、低い場合どうすればいいのでしょうか?(45歳女性)

A 変動が少ない数値なので

大幅に上昇させることは生活習慣では難しいかも…

ご質問にあるコレステロール値とはHDL(いわゆる善玉コレステロール)値と思われます。HDL値は、適度な運動(歩行等)や動物性脂肪を控え、青魚や植物性蛋白を多く含んだ食事、禁煙で上昇します。タバコを吸う人は10㎎/ 程度低下することがあります。HDLコレステロールは個人差が大きいのと、変動が少ない数値なので、大幅に上昇させることは生活習慣では難しいとされています。

Q 

この前の健康診断で尿酸値が高かったのですが、ビールは控えた方がよいですか?痛風にならないか心配です。(42歳男性)

A 食事内容に問題なくても尿酸をろ過する腎臓が

“さぼる”と尿酸が
高値となることも…

尿酸値が高い状態を高尿酸血症と言います。7.0㎎/ 以下が基準値です。高尿酸血症は尿酸の結晶が蓄積することがあり痛風の原因となる事があります。高尿酸血症は、肉類やビールなどプリン体を多く含む物の摂取で上昇する方がいます。また食事内容に問題なくても尿酸をろ過する腎臓が“さぼる”と尿酸が高値となることがあります。内服薬は生成を抑制するタイプ、ろ過を促進するタイプがあります。痛風発作は強烈な痛みを伴いますし、再発することが多いです。尿酸高値が続く場合は、内服薬の治療も考えてください。

今回質問に答えて

いただいたのは…

糖尿病代謝内科部長  健康管理センター長
稲本 望(いなもとのぞむ)先生

救急、災害、専門医療など地域への総合医療を提供

社会福祉法人恩賜財団 済生会滋賀県病院
栗東市大橋2丁目4-1 TEL:077-552-1221(代)

■情報誌「自悠時間」掲載2012年12月

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