「CAになると効率が良くなる」のはなぜ?
CAになるといつの間にか身につくスキル、それは、限られた時間の中で、効率良く動けるようになることです。
ここでは、もともと要領が悪かった筆者がなぜ効率良く動けるようになったのか、それを日常生活でどのように活かしているかを、CAの仕事の裏側と共にお話いたします。
1. タイミングとリミットを意識する
機内で笑顔を絶やさず働いている様子から、華やかで優雅なイメージを持たれがちなCAですが、実は国内線でも国際線でも細かい地味な仕事の連続。常に時間に追われる仕事です。
搭乗前の準備、搭乗中、離陸前の安全確認、サービス、着陸前の準備……などなど、やることは次から次へとやって来ます。
そしてそれぞれの業務に明確なリミットタイムがあります。
なぜなら飛行機が出発して目的地に到着するという移動時間の中で、やらなければならない業務のタイミングというのは決まっているからです。
例えば離陸前の安全確認は飛行機が動き出して滑走路に到達するまでの間でしかできません。
この時間内で、機内の設備の安全状況、お客様の安全状況を素早く確認しています。
時間内に終わらせることができないと、他の出発機との兼ね合いもあるので、飛行機がなかなか離陸できなくなってしまうことも。
また機内サービスも、いつでもできるわけではありません。
基本的に飛行機が安全高度に達した巡航中に行われます。
機内食は回数が決まっていますし、適切な時間に速やかに配布しないと、乱気流に入りサービスできない状況になってしまうかもしれません。
どのような仕事でも納期などリミットはあると思いますが、CAの仕事はそれが「今日中」などではなく「○時○分まで」と明確に決まっているのが特殊です。
2. 常に先のことを考えながら行動する
タイミングとリミットを意識して仕事をするためには、そのタイミングでその業務ができるように事前準備が必要になります。
サービスが終わったからひと休み!と思ったときも、その後の流れを考えると今すぐ準備に取り掛からないといけないというケースもよくあります。
常に飛行機の今の状況や到着までの残り時間を考慮して動いているのです。
そのため、CAは臨機応変さや効率の良さが身についてきます。
筆者はもともと要領が悪く、先を考えながら動くことが苦手でしたが、この仕事でかなり鍛えられました。
次のページ:CAあるある!「動線の有効活用」で効率アップ
3. 「動線の有効活用」で効率アップ
CAとして働く中で、自然と身に付いた癖が「動線を有効活用する」ということ。
CAの方なら誰しも「あるある!」と思っていただけはずです。
動線の有効活用とは、移動するついでに他にできることをいくつも考えて一緒にやってしまうということです。
例えば後方から前方のCAに渡すものがありキャビンを歩いていく際に、その途中でお客様のシートベルト着用状況を確認しながら、さらにお子様に絵本を貸し出ししていく、というような形です。
これは狭い機内で何度もバタバタ行ったり来たりを繰り返すのはお客様のくつろぎの妨げになるという、飛行機特有の環境も影響しています。
更に、CAは必ずチームで仕事をするため、1人だけで動くのではなく、全員で良いチームワークを築いてこそ初めて最大限のパフォーマンスが生まれます。
他のCAが今やっていること、今いる位置なども考慮してうまく役割を分担させることも動線の有効活用に繋がります。
動線の有効活用は家庭でも活かせる!
また筆者の場合、子育て中のママでもあるので、それが家庭でも応用できています。
今いる場所でついでにできることはなんだろう?と常に考える癖がつきました。
小さい子供の育児をしていると自由に動ける時間は限られてきますし、子供といると突破的に増える仕事の連続。
計画通りにいくことなんてほとんどないという状況になりますので、できる時にまとめてやってしまわないと!という心境になります。
おそらく多くのママさんがこのような状況から動線の有効活用というのが自然に身についているのではないでしょうか?
私の場合、CAと子育ての相乗効果でかなり脳が鍛えられ、子供がいない時より動きは良くなったのではないかと感じています。
CAは潰しがきかない!?
限られた時間の中で多くのタスクをこなさなければいけないCA。
その中で、効率よく動くこと、時間を無駄にせず最短でできるやり方を工夫し、仕事のパフォーマンスを上げる能力を身に付けていきます。
実際にCA同士で集まって何か共同作業をする時でも、自然と役割分担をしていて、スムーズに進むことが多いです。
CAは潰しがきかない職業とよく言われますが、今後もし違う職種に転職をした場合でもこれらはどのような職業でも活かすことができる普遍的なスキルだと思います。
以上、ほんの一部ですが、CAになって身に付いたスキルをご紹介させていただきました。
CAの仕事を理解する上で参考になれば嬉しいです。