次の殿堂入り選手は誰だ!? 2021年殿堂入り投票の展望

今回のアメリカ野球殿堂入り投票では、有資格初年度のデレク・ジーターと有資格最終年(10年目)のラリー・ウォーカーという対照的な2人が殿堂入りを決めた。これで7年連続で2人以上の殿堂入り選手が誕生したことになり、その期間中に22人もの選手がクーパーズタウンに迎え入れられている。1年後、2021年の殿堂入り投票ではどの選手が殿堂入りを成し遂げるのだろうか。

2021年の殿堂入り投票から投票対象となる予定の選手のうち、データサイト「Baseball Reference」が算出するWARで上位につけているのはマーク・バーリー、ティム・ハドソン、トリー・ハンターといった顔ぶれである。いずれも素晴らしいキャリアを送った選手だが、有資格初年度での殿堂入りを果たすほどの選手ではなく、2013年以来の「有資格初年度での殿堂入りなし」となることが濃厚。この年はクレイグ・ビジオ(68.2%)とマイク・ピアッツァ(57.8%)の2人が殿堂入りラインの得票率75%に届かなかったが、ビジオは2年後の2015年、ピアッツァは3年後の2016年に殿堂入りを決めている。

引き続き投票対象となる選手のなかでは、今回の殿堂入り投票で得票率を70%に乗せたカート・シリングの殿堂入りが有力視されている。有資格初年度となる選手のなかに有力な候補がいないこともシリングの殿堂入り決定を後押しするだろう。同様に、今回初めて得票率60%の壁を突破したロジャー・クレメンスとバリー・ボンズの2人もさらに得票率を伸ばして殿堂入りラインに迫る可能性がある。

また、ここ数年で有力な候補が次々に有資格初年度での殿堂入りを決めたことにより、各記者が投票可能な最大10枠に空きが生まれ、オマー・ビスケル、スコット・ローレン、ビリー・ワグナー、ゲーリー・シェフィールド、トッド・ヘルトン、マニー・ラミレス、ジェフ・ケント、アンドリュー・ジョーンズといった候補者たちも少しずつ得票率を伸ばしている。近年は有資格最終年が近付くにつれて得票率を大幅に伸ばすケースも目立っており、現時点で得票率20~50%程度にとどまっているこれらの候補者たちにも殿堂入りのチャンスはあると言えそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.