街を照らし、未来を照らす

 夜更けは雨音がすごくてよく眠れず、朝になると自宅が霧に包まれていた…という人もいるだろう。県内ではおととい夜から大雨が降り、翌朝は濃霧で、きのうの昼間は柔らかな日が差していた。ころころ変わる天候に、いささか当惑する▲この先しばらく、天気が荒れないようにと願う。長崎市の夜を赤、黄、オレンジ色の光が照らす「長崎ランタンフェスティバル」がきょう開幕する。メイン会場の湊公園では、富を招くとされる金魚7匹をあしらった、高さ10メートルのオブジェがとりわけ目を引くだろう▲今年は2月9日までの期間中、100万人の人出を目指すという。33年前、新地中華街でこぢんまりと始まった「春節祭」は、大きく育った▲おととしは過去最多の106万人を呼び込んだ。その年と同じように、今年は期間が例年よりも長い17日間で、土・日曜が3回ある。あとは天気が穏やかならば…と、気の早い期待が、つい胸に湧く▲近年、フェスを見に来て、中華街に近い出島や、夜景が見られる稲佐山にも足を運ぶ人たちが増えているという。「インスタ映え」の流行で、ランタン人気はますます高まっているともいう▲冬の光の祭典には、まだ「伸びしろ」があるのだろう。ランタンの光が明るく、温かに街を照らし、長崎観光の未来も照らすといい。(徹)

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